天婦羅の基本 第2回 野菜の切り方 全30種類完全解説 南瓜も山菜もまるごとお任

天婦羅の野菜

天婦羅 季節の素材は勿論、季節を問わない定番の素材まで多くの人たちに愛されています 小麦粉と卵そして水、それだけで生み出される日本料理の傑作です 今回はそんな天婦羅の素材のなかで野菜にスポットをあててみます 野菜はただ単に切って揚げるのではなく、素材ごとに準備の違いがあります その準備を怠ると折角の素材が台無しになってしまいます 大切な下準備をきちんと学んでください

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天婦羅に合わない野菜

多くの野菜が天ぷらに適していますが中にはそぐわないものもあります 一例を書きましたが、水分が多い野菜が好まれない傾向にあります

トマト キャベツ 大根 カブ 胡瓜 レタス・・・などやはり水気の多いものは適しません トマトはペティトマトの天婦羅は時折見かけますが、衣が付きにくいのと中からトマトの液が飛び散るのでおススメはしません 同じ水分が多い野菜でも玉ねぎなどは甘味が出て好まれる野菜となります

天婦羅の野菜は大きく二種類

最初に述べましたが「山菜などの季節野菜」は旬の素材として、限られた期間のみに出回ります それに対して「定番野菜」はハウス栽培や貯蔵方法の確立で一年中見かける素材です 特別に意識する必要はありませんが、献立を書く際には季節感が大切です 悪い例として「菜の花」と「サツマイモ」などの取り合わせは避けましょう 「菜の花」は春野菜の旬素材、「サツマイモ」は定番野菜ですが秋野菜です 秋には秋の、春には春の野菜で揃える心遣いが大切です 定番野菜はツイ季節を忘れがちです きおつけましょう

天婦羅の野菜 下準備と切り方 具体的に見てゆきます

かぼちゃの天婦羅

かぼちゃは日本料理では南瓜と呼ばれます 基本の切り方はスライスです

種を取り除きます スプーンなどを利用して取り除くと良いでしょう

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きれいに種が取れました

スライスをします 厚みは5ミリから8ミリくらいまでです 天婦羅では薄くすれば火は早く通りますが、ある程度の厚みがないとおいしくありません 多少、厚目がお勧めです

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少し厚めでこのくらい

切り付けが終わりました この切りつけは大き目な切り方です

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大き目な切り方

大きさを小さくしたい場合はさらに半分切りにします

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大きい切り方と小さい切り方です

コースや懐石の天婦羅では一口サイズの小さいものが好まれます 利用シーンを考えて切り付けしましょう

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小さい切り方

茄子の天婦羅

茄子の切り付けをします 秋ナスなどと言われますが、一年中出回る野菜です 切り付け後、色変わりが激しいので注意が必要です

最も一般的な切り方 家庭ではこの切り方で良いと思います 最初に端を落とします 輪切りにします 厚みは8ミリ程度です

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端を落としました

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少し斜めの輪切りです

次の切り方です 末広切と呼ばれます 末広切は天ぷらにした時にきれいな末広の柄が出ます よく使われる切り方です 最初にヘタのトゲの部分を取り除きます その後、写真のように半分切です

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縦半分です

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更に半分に切りつけます 大きさが左右でバランスが取れるように注意しましょう

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写真のように縦に包丁を入れてゆきます 2ミリ前後で最後まで切り付けます

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間隔は均等に

包丁の背で軽くたたいて広げます

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トントントンと叩き広げます

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完成です きれいに仕上がっています

きれいな末広の完成です 続いて上の切り方の応用です 上の切り方は四分の一で仕上げていますが、次の切り方は半分の状態で同様の切り付けをします 大きい切り付けですので天婦羅定食や家庭での天婦羅が良いかもしれません

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半分に切ります

縦に切り付けてゆきます 細かく2ミリ前後で縦に切り付けます

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均等に包丁を入れます

包丁や手で広げれば完成です

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茄子の天婦羅の切り付け完成です

 

しし唐の天婦羅

家庭ではあまり使わない野菜かもしれません 日本料理の天婦羅としては定番です 青みとして彩に重宝します このまま、使えそうですが天婦羅にする場合は下処理が必要です

最初にヘタを切り落とします

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頭の部分がヘタです きれいに切りそろえます

串に刺します

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一本づつ刺してゆきます

串を抜いて天婦羅にします この作業はしし唐に穴を開けるために行います 穴を開けないで天ぷらにすると空気が膨張して破裂します そのため串を刺して空気の逃げ道を作ります

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刺し終わりました

隠元の天婦羅

隠元は3つから4つに切り付けます

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長いままでは天婦羅にしません

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長さを揃えて切りそろえます

 

串にさします つまようじが最適です このままの状態で天ぷらに揚げます

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爪楊枝は浅めに刺しましょう 隠元が割れます

さつま芋の天婦羅

さつま芋は日本料理では丸十と呼ばれます これは薩摩藩の家紋からそのように呼ばれています 天婦羅では最も人気の野菜かもしれません 最初は家庭風の切り方です 芋は水洗いをします

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水洗いはしっかりと

斜め切で切り付けてゆきます かぼちゃ同様に厚目がおいしいのですが火の通りが悪くなります

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写真は8ミリ程度に切り付けています 1センチですと火の通り方がかなり悪くなります お好みで調整してください

次はコース料理や日本料理店でよく見られる切り方です さつま芋は同様に水洗いをします さつま芋の周りを4面切り落とします 皮を荒く落とす感じです

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皮面を落とします 芋は四角になります

写真のようになります 四隅には皮が多少のこります

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この後、切り付けです

8ミリ程度に切り付けを行います さつま芋は厚目がおいしく頂けます

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最後にさつま芋の天婦羅は必ず水に落としてくだっさい 変色を防げます その際、長時間水に漬けると澱粉が水に出てしまい、芋の甘味が損なわれます 注意が必要です

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必ず水に落とします 10分程度

椎茸の天婦羅

秋や春が旬ですが近頃は一年中出回ります 椎茸の天婦羅は飾り切を行います

軸を落とします

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軸は切り落とします

 

包丁は斜めにV字に切り付けます この作業を繰り返します

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V字の包丁

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きれいに飾りが入れば完成です

人参の天婦羅

人参は甘味が出て天婦羅にむいている野菜です 一般的な切り方 日本料理店での切り方 かき揚げの切り方 飾り切りと説明をします 最初に家庭向きな一般的な切り方です 単純なスライスになります 人参は皮をむきます 斜めに包丁を入れます 厚みは4ミリから6ミリくらいまで

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常の通りに皮をむきます

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斜めスライス 4ミリの厚み

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簡単ですね

続いて日本料理店での飾り切です 天婦羅でよく見かける松葉切です 人参は四角く切り付けます

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大まかな四角又は長方形です

上から二本、下から一本切り込みを入れます

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このように切り込みをいれます

写真のように松葉に仕上げます

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完成です

ここで人参のかき揚げの切り方も書いておきます 基本は千切りです 日本料理では細目に切ります 写真の左が日本料理店向きの切り方、右は家庭風の切り方です

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線の太さが異なります

蕗の塔の天婦羅

蕗の塔は春の山菜です 天婦羅の下準備は簡単です 苦みがあるおいしい野菜です

最初に茎を少し落とします 周りを開いて花を露出させます

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この状態で完成です

子茄子 小切り茄子の天婦羅

子茄子は普通の茄子に比べて小さいのが特徴です 6センチ前後の茄子です 茶筅切(ちゃせんきり)が有名ですが、天婦羅では末広、扇切が一般的です

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ヘタにとげがあります

ヘタの部分を一周ぐるりと包丁を入れてヘタを取ります

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切り落とさないように注意

半分に落とします

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縦半分切

そのあとは、普通の茄子の切り付けと同様に縦に細かく包丁を入れます

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包丁で広げます

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完成です

牛蒡の天婦羅

牛蒡も天ぷらの人気食材です 歯ごたえと香りは最高です 天婦羅でも牛蒡の皮はむきます 包丁の背でこすりとります

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薄く皮を落とします

切り付けをします 4分の1に切り付けます

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食べやすいのがこの大きさ 4分の1

松葉包丁を入れます 縦8分目まで切り付けます

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完成です

春菊の天婦羅

春菊は鍋野菜のイメージがありますが天婦羅でもおいしい野菜です 手でちぎって天婦羅にします

左の穂先の部分は写真の大きさ程度に切って天婦羅にします 中央は周りの葉です 周りの葉は何枚か集めて天婦羅にします 一番右の軸は使用しません

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左から芯の穂先 周りの葉 軸

じゃがいもの天婦羅

じゃがいもも天ぷらではおいしい野菜ですが、じゃがいもの天婦羅ははポテトフライに押され気味ですね

皮をむいてスライスです 水に落として10分さらします

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良く洗います

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6ミリ厚に切ります

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水に入れます

木の芽の天婦羅

木の芽は山椒の葉です アクセントとして天婦羅にされます

特別の下処理はありませんが、木の芽の大きさは小さめの柔らかいものがおススメです 写真の左のように小さい若いものを選びましょうDSC09308

にわとこの天婦羅

4月が旬の山菜です 天婦羅でおいしい山菜です おススメです 新芽の部分をそのまま天婦羅にします 葉の形をみて新芽を使ってください

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これが新芽です

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こうなると天婦羅には不向きです

ネギの天婦羅

白ネギの天婦羅です 甘味があります

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ネギは水洗いをします 2㎝の輪切りにします

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小口切です

こごみの天婦羅

こごみは春から夏にかけての山菜です 軽く水洗いをしてから切り付けします

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つやつやした、こごみ

下の部分を切り落とし長さを調整します その他の下処理はありません

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切り落とす長さは調整してください

柿の葉の天婦羅

柿の葉は天ぷらで食べられます 新芽をさっと揚げます 写真の左側のような新芽を使用します 右側の葉では大きくなりすぎです

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新芽が最適です

別記事でも特集しています「柿の葉の佃煮 柿の葉の天婦羅山椒塩添え ポイント伝授 採集から料理まで」

三つ葉の天婦羅

三つ葉はかき揚げなどにも使われます その他、青みとしての使い方が多いようです 基本的には結び三つ葉で揚げます

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三つ葉は水洗いをして二本を指やスプーンで潰します

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結びやすいように潰してゆきます

 

葉の元の部分で結びます

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完成です

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しっかりと

タラの芽の天婦羅

忘れてはいけない素材です 春先の天婦羅の王様です

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根元をむきます 丸く写真のように

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この部分は硬いです

十字に包丁を入れます 火の通りが良くなります これで完成です

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浅くても大丈夫です

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十字に

ほじその天婦羅

青みとしての天婦羅で使われます 紫蘇の香りが喜ばれます 下処理は切り付けのみです

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半分切です

こしあぶらの天婦羅

山菜です 4月が旬です 下の部分を掃除して天婦羅にします

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うるいの天婦羅

下の部分を切って使います 長いまだだと食べにくい場合は三つほどの切り分けても良いです 人気の山菜です

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この程度切れば大丈夫です

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このままさっと揚げます

エシャレットの天婦羅

らっきょの天婦羅として和食店では利用されます 揚げると甘味が出ておいしい素材です

長さを調整するのと、根の部分を切り落として使います

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水洗いします

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根を落とします

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茎を切り落とし長さを調整します

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エシャレットの完成です

茗荷の天婦羅

夏野菜です 独特の香りがおいしい野菜です 天婦羅にもよくあいます 切り付けをして使用します

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水洗いをします

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根の部分を落とします

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4つ切にします 完成です

茗荷の天婦羅は別記事で特集しました こちら

行者にににくの天婦羅

名前の通りにニンニクやネギのような香りがあります 山菜としては人気の野菜です 茎の部分を切り落として使用します

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水洗いの後、水をタオルでふき取ります

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写真のように茎を落とします

藤の葉の天婦羅

新芽を食します 5月初旬の小さな新芽がおいしく食べられます 虫が付きやすいので注意が必要です 水洗い後、そのまま天婦羅にできます

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適しているのは下の小さな新芽です

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大葉 しその葉の天婦羅

香り物、青みとして天婦羅にされます 和食店では定番の揚げ野菜です 下処理は軸を切り落として使用しますが、水に落としてシャキッとさせてから使います しおれていると天婦羅にはできません

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軸を切り落として水に落とします

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新しょうが 谷中生姜の天婦羅

5月前後の旬野菜です 生食もおいしいのですが、さっと天婦羅もなかなかいけます

最初に水洗いをします

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長い状態で売られています

 

頭の部分を切ります 斜めに落とします

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先端を斜めに切ります

薄く皮をむきます

 

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皮は薄く

 

完成です

そのほかにも特集で下記の野菜の基本処理を記載しています

アケビの天婦羅は別記事で特集しました こちら

蕾菜の天婦羅は別記事で特集しました こちら

イチジクの天婦羅はこちら

とうもろこしの天婦羅(かき揚げ)は別記事にあります こちら

以上、野菜を天婦羅にする際の下処理をまとめました 素材をおいしく食べる食べには下処理や準備が大切です おいしく調理してください

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関連記事 天婦羅の基本第1回 素材を考える どんな素材があうのか?

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