あけびの天麩羅と柿とアケビの白和えのレシピ 山間の料理人が教えます

ほのかな甘味

あけびは日本の山間部でよく見られます ツルを伸ばし、木々に絡みつき、新芽を出し、花を咲かせ、秋に結実します 子供の頃、山や野で食べた方も多いかと思います 山桃、胡桃、桑の実、山葡萄などと並ぶ日本を代表する「季節の実り」です

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あけびの花

ツル状のために採集は困難です 長い棒などで蔓を絡めて取ります 口の空いたものは鳥達にもごちそう・・・鳥に勝つためには口の開いていない熟れ頃を見極める技が必要です

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タネが多いので果肉とタネを共に口に含み果肉のみ食べてタネは吐き出します ちょっと汚い食べ方ですが仕方ありません  

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若い実を見つけました

皮に包まれたあけびの身は白色の粘りのある実で、やさしい、ほのかな甘みが特徴です 皮が開くと食べごろのサインです 皮を食することもできます 油炒めや味噌和えなどに調理されます また、新芽も天ぷらで食べることができます

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口が開けば食べごろです

その種類

葉の違いを御覧ください 三つ葉と六つ葉があります どちらも近郊の林で採集しました そして大きさもまちまちです 5センチから20センチ位まで見うけられます

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6枚の葉が確認できます

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こちらは3枚です

産地

山形県が有名です 地方の市場などでは近隣の農家などから出荷されたその土地のアケビが見られますが、都市部の市場では山形産がほとんどです

 

価格は1ヶ200円から300円程度で販売されています 

 

日本料理とあけび

日本料理では秋の味覚として利用されます 市場で出回る山形産を利用する店舗が多く 和え物 揚げ物 煮物などに利用されます 皮を利用することが多いようです 果肉はタネが多いので利用しにくいのが原因です 変わった使い方として、半分に割って器代わりに刺身などを盛ります 

 

普段家庭では使われない素材なので、提供されたお客様は珍しい素材に驚かれる方が多いようです

 

レシピ あけびと柿の白和え 柿釜盛りにて

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日本料理の基本白和え

あけびの実は水洗いをします 時折、汚れが酷いものがあります よく洗ってください

半分に切りつけます スジがあるのでそれに沿って切りつけてください

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割れていない場合は包丁で切ります

中の果肉は使いません スプーンで取り除いてください

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スプーンで丁寧に

あけびの皮をスライスします 口に入りやすい大きさで薄くスライスです

皮は苦いので薄めがオススメです

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刻みました

茹でます 沸騰したお湯で2分から3分茹でます 下茹では大切です

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流水します 長めに流水するのがいいです 苦味がぬけます 

 

柿の上部を切り取ります ギリギリではなく少し多めに切り取ります

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ふたの部分を切ります

抜き型を刺します その内側をくり抜きます こうすることで円形に綺麗に抜けます

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中央に置きます

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くり抜きます

抜いた柿の実は和え物に使っても構いませんが、形が汚いのであまりオススメしません 

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丁寧に

異なる柿の実の皮をむきます 小角に切りつけします 

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食べやすい大きさにします

豆腐を絞ります 水気がなくなたら裏ごしします 

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重しで絞っています

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裏ごしします

味付けは薄口醤油、少量の味噌、味醂、砂糖です あけびの実は苦味があります 味噌と砂糖ではっきりした味付けがむきます 品のいい薄味よりもおいしく頂けます

ゆでたあけびと柿の実を豆腐の生地で和えます

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豆腐は多めに

柿の釜に盛り付けをします 天盛りでぎんなんを半分添えます 完成しました

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小高く盛り付け

 

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完成です

あけびの天麩羅

苦味があるあけびは天つゆよりも、味噌だれが良いでしょう 味噌だれは八丁味噌をベースに作ります

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天婦羅にしてゆきます

あけびを切りつけします スライスですが3ミリ程度が良いでしょう

粉を打ちます

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切り付けします

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小麦をうちます

衣をくぐらせて180度で1分30秒程度、揚げます

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衣は念入りに

人参紅葉 松葉蕎麦 いんげん 葛切りを添えました

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盛り付けします

味噌だれの作り方は八丁味噌に酒、味醂を入れます 砂糖を入れます 白ゴマを入れます

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みそだれはおススメです

完成です 

秋の食材「あけび」ぜひ使ってみたい食材です 町中の店舗ではきっと驚かれ「めずらしー」と言ってもらえます 是非!

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