さんまの三枚おろし 捌き方 秋刀魚の塩焼きから刺身そして香り揚げ完全解説 プロの技を学べ
- 2015/7/11
- 和食の魚
身近な魚 秋の味覚 青魚の代表 「さんま」 意外と知らない「さんま」の三枚おろしのやり方って?刺身ってどうするの?見分け方は?などとお悩みの方々に今日は丁寧にさんま料理と基本調理を解説します
秋刀魚はどんな魚?
日本から北アメリカの浅いところに生息しています
もともとは日本の魚というよりも、日本には産卵のために南下してくる魚です 秋になると寒流に乗って外洋の水面を大量に群れをなしてやって来ます ほとんどが千葉沖くらいで南下をやめます 徳島の知り合いの板前が多少の水揚げはすると言っていました 基本的には北海道と東北がおもな漁場です 80%が北の海で漁獲されます
さんま 秋刀魚 サンマ
日本料理では漢字で献立に登場することが多いようです 「秋刀魚」あきの、かたな、さかなと書かれます 字の表すように「秋」の「魚」ですね 秋刀魚、松茸、栗、鮭と秋は日本の食卓がにぎわう季節です そんな中、秋刀魚は庶民の味として確固たる地位を獲得しています 魚離れで陰りも見えますがなくてはならない日本の魚です
おいしい時期と特徴
- 南下したてがおいしい(油がのっている)
- 脂ののりは数パーセントから20% 20%になると最高にうまい
- 相模湾を超えたもの 日本海のものは脂が少ない
- 脂が多いため身が柔らかい 傷みやすい
海老で鯛!いいえ「さんまでマグロ」
何百万円もするマグロ 海のダイヤと呼ばれる高級魚もさんまが大好物です 美味しい秋刀魚の味を彼らも知っています 新鮮な秋刀魚を針にかけて漁船で海中を引きまわりす マグロが追いかけてガブリ さんまとマグロ意外な取り合わせです ではここで質問「秋刀魚の餌はなに?」正解はプランクトンです プランクトン、秋刀魚、鮪、そして人間・・・つながっているのですね 連鎖の輪に
小津 安二郎監督 「秋刀魚の味」
日本の映画史に残る名作です
秋刀魚が「家庭」「時代」の象徴として活躍しています
タレントの「さんまさん」も庶民派の代表ですね
内臓がポイント
少し苦い内臓が好まれます 秋刀魚の塩焼きではなくては「重要部位」です 子供はすこし苦手のようですが(子供の人気は目玉かな?) 左党の方には格別な存在です
大根おろし
内臓の苦み さんまの脂臭さ を見事に消してくれます 見事な脇役です スダチやレモンも脇役として良い味を出してはいますが、大根おろしは主役級の脇役です 大根役者では決してありません おススメはおろし立て、おろした汁も絞らずご一緒に
日本料理と秋刀魚
庶民の味・・・このイメージに少し問題があります
懐石料理と家庭料理では秋刀魚の使い方が異なります どうしても秋刀魚の塩焼きは懐石料理には不向きです 店舗の業態によって献立を使い分ける必要があります 料亭 割烹 定食屋 居酒屋 一般家庭 それぞれの場面に合った使い方が求められる特殊な魚です 料理人のセンスや技が大切になってきます 一品料理 つまみ おかず 的確な選択をしましょう 鰯やアジなども同様ですね
秋刀魚の開き
味が濃縮されておいしいですね 自家製で作った開きです 塩水に浸けて一夜干しにしました
秋刀魚は開きでも美味しい魚ですね
余談ですが冷凍秋刀魚について
料理人として私は冷凍された秋刀魚も否定しません
冷凍秋刀魚はほとんどが水揚げ後の早い段階で冷凍されています それも急速に低温で そのため生さんまよりも冷凍の秋刀魚のほうが良い時があるほど鮮度が優れています 馬鹿にしたものではありません
秋刀魚の塩焼き
大切なポイント
- 塩はしっかりと
- 大根おろしは必需品
- 皮パッリを目指せ
ポイントを踏まえて解説してゆきます
最初にウロコを取ります
ウロコはないと言っても良いくらいありません しかし、包丁でなでるように表面をこすってください 汚れとともにうろこが取れます 青い小さなウロコです 釣れたての秋刀魚はウロコがありますが、水揚げ後、ほとんど取れてしまいます だからと言って「ウロコがない」と決めつけずに「包丁で優しくなでるように」取り除いてください 下記にウロコの写真を掲示します
ウロコを取り除いた後、水でさっと洗います ほとんどの場合さんまは切り付けはしません 姿のまま焼いてゆくのが一番多いやり方です ここでも姿のままに焼いてゆきますが最初は塩振りです
ポイント 塩の振り方
実験 きれいに塩をふる技
二種類の振り方をやってみます 黒い紙に実際に塩を振ってみます
最初は良く皆さんがやる手で高い位置から振る方法
次に精製塩を瓶から振る方法
どちらが均一にきれいに振れるかもうおわかりだと思います
店舗などで丁寧にきれいに塩を振りたい場合は「精製塩」を「瓶や調味料缶」に入れて使用するのをお勧めします
実際に両面に塩をふります
その後、尾びれに塩をつけます 尾びれは容器に塩を入れて押し付けて塩をつけます まんべんなくきれいにつきます
背ビレ 腹ビレ 胸ビレにも塩をつけてゆきます 指先を利用して押し付けるようにつけます
金串刺すか銀ホイルの上にのせて焼き台に入れて焼いてゆきます 最初は裏面(腹が下 頭が右)から焼きます その後、裏に返して表面(頭が右 腹が下)に置きます 火加減は強めです パッリと仕上げるためには強火がおススメです
焼きあがりましたら大根おろしとレモン(スダチ)などを添えて完成です
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さんまをさばきます 三枚にさばくことで色々な料理に仕上げられるようになります
刺身 揚げ物 酢の物など献立は無限に広がります
最初はさんまの表面のうろこ取りです 包丁でなでるように取り除きます
頭を切り取ります 胸ひれのところ、カマ下から切り落とします
腹を裂きます 肛門に包丁を入れて切ります
内臓をこそげ落とします 水洗いをします 丁寧に洗わないと腹の身が崩れます 脂が多い部分ですので柔らかい身です 注意しましょう
三枚にさばきます 大名卸というおろし方です 最初に頭を右、腹を下に置きます
刃先を置き骨の上を写真の位置から滑らせてゆきます
反対側も同様にさばいてゆきます
完成です 三枚にきれいにおろせました
腹骨をスキ包丁で落とします 滑らせるのがコツです 最後は包丁を立てて腹から切り離します
中骨を抜きます 身の表面をなでると中央に小骨があるのがわかります それを骨抜きで抜いてゆきます
これで三枚おろし及び下処理が終わりです この後はこの三枚おろしを使って料理に仕上げてゆきます
秋刀魚の刺身 二種類の切り方を学ぶ
さんまを三枚にさばいた状態からの解説です
皮を引きます 最初に皮を指先でめくり、つかみます
反対側にして写真のように包丁で押さえながら皮をめくってゆきます
刺身に切ってゆきます 一番多く見られる切り方です 少し斜めに包丁全体を使って削ぐように切ってゆきます
次に藤見立てです 藤の花のように切るやり方です 2㎝ほどに切り重ねます 背が向こう腹が手前です
真ん中から切り開いて切り口をつけて完成です
盛り付けをします 大葉 妻 生姜 紅たて 菊の花 ほじそ を添えています
完成です 秋の刺身として大人気です 新鮮な秋刀魚を使ってください
秋刀魚の香り揚げ
さんまを三枚にさばいた後、調理を始めます 最初に具材の仕込みです
人参を棒状に切ります 人参はさっと湯がいておきます アスパラやヤングコーン、ほうれん草などもお勧めです
香り揚げとしてよく使われる具材
- 海苔
- 紫蘇の葉 大葉
- バジル
- ニンニク
などが多く使われます 今回は大葉を使います
秋刀魚の身を切り付けをしてまな板に並べます そこに大葉、人参を置きます 粉うちは必要ありません 串でしっかりとめて押さえこみます
ここで、小麦粉を打ちます まんべんなく振ります
薄めの衣を作ります また、今回の小麦粉は下記の小麦を使ています
価格:310円 |
油に入れて揚げてゆきます 180で 2分です すこし早めに揚げます
切りつけをします 半分に切って切り口を見せます 熱いので注意が必要です
盛り付けをします 大根おろし 春菊の天婦羅を添えています 良い香りが秋刀魚の脂を引き立てます 桃屋の佃煮「ごはんですよ」を薄くぬるのもお勧めです 隠し味でなかなかおいしく仕上がります
いかがでしたか?さんま基本、三枚おろし、秋刀魚の塩焼き 刺身、香り揚げ 秋刀魚は私たちの生活に身近な魚です 近頃は漁獲量が少なくなっています 大切な資源をいつまでも守りたいと思います
美味しい秋刀魚に心から感謝しましょう
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