鍋磨き 日本料理やっとこ鍋 ボンスターの使い方 正式な磨き方の基本

【準備】

和食の鍋は「やっとこ鍋」といいます 詳しくは和食の道具「矢床鍋」を御覧ください 少しおさらいしますと、和食で使用する鍋は取っ手のないやっとこ鍋を使用します 重ねが容易で収納性があります 熱伝導のよい鍋です アルミ製が多く、今回もアルミの鍋を磨いてゆきます


磨く道具・・・ボンスター スチールのウールタワシを使用します 関西、関東基本的に多く使われます 傷がつかずに輝きのある鍋に仕上げることができます 業務用の写真のボンスターがお勧めです

家庭では小さいサイズのボンスターでも良いと思います

 

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業務用ボンスターです

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中はロール状です

洗剤・・・中性洗剤を使用します 磨き粉、クレンザー、マジクリン、ハイター、などは使いません

ダスター・・・サラシやタオルを用意してください 仕上げ用 鍋の下にひくよう
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【鍋を磨く】

鍋の下にダスターを引きます これは滑り止めの役目をします ボンスタはーははさみで切れますが、手でゆっくり引っ張るようにすると、ちぎることもできます ボンスターの大きさは手のひらサイズが良いでしょう 洗剤をつけて鍋底から磨いてゆきます 基本は力を抜くこと、滑らすように、撫でるように磨いてゆきます 力より回数が勝負です 泡が黒くなってきたら、次の場所を磨きます

 

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なでるように

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磨いてゆきます

続いて側面を磨きます 鍋肌に合わせて滑らせてゆきます 水はほとんど付けません 水をつけると、洗剤が撒き散らされるため磨きにくくなります 力が抜けていれば必ず輝きます

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側面も優しく

鍋の内側を磨きます 半円を描いて、滑らせます 一つの場所を20回程度磨くのが目処です

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立てて磨きます

続いて内側の底を磨きます 手首を使い円を描いて磨いてください ここでも力は抜いてください

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円を描いています

ひと通り磨き終わったら、水洗いをします 泡を落として磨き具合を確認します 顔が映るくらいの輝きが理想です

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水洗いです

綺麗なダスター、タオル、キッチンタオル、サラシで鍋をふきあげます これが大切な作業です 鍋をみがき水洗いをしても、鍋の表面にはアクが付着しています それを取り除かないと食品に影響がでます 必ず実施しましょう

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ふき取りです

写真は実際に鍋のアクが不直した写真です 黒くタオルが汚れているのが見て取れると思います

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黒くなりました

完成した写真と、磨く前の写真です 違いは一目瞭然です 醤油のシミ、焦げた鍋などは磨くのが大変です 一日で仕上げずに数日かけて完成させるのも良いと思います 大きい鍋も同様の磨き方です 鍋が大きくて水槽の中で磨けない場合は調理台の上に新聞紙などをひいて磨いてください

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磨き終えました

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磨く前です

鍋磨きは修行の初期段階で教わる仕事です 料理人には道具が大切です 自分が使用する道具は大切に感謝の気持ちで管理したいものです 最後に鍋磨きのコツを再び「力を入れない」これが大切です

ちょっと注意ですが、ボンスターではなくて金属たわしを使う方が、時折見受けられます これは傷がつくだけではなく重大な事故につながります 私は金属たわしで大変なミスを経験しています 金属たわしは避けてください 記事は下記に詳しく書いてあります

これだけは使うな!調理場でカネ(金属)たわしを使ってはいけない大きな理由 

 

下記も道具関係の記事です 特に包丁の磨き方は大切です 調理場の仕事に従事して最初に任される仕事だと思います 先輩たちの高い包丁を磨く緊張する作業です 磨き方には何種類かあります 学びたい方は下記の記事で学習してください

和食の包丁磨き 包丁の手入れは毎日行う ヘチマ、ダスター、消しゴム

 

調理場の年末大掃除 ステンレスの手入れ こすらない!漬け込み洗浄でピカピカ

中華鍋を使い始める前にすること 焼き方と磨き方 後悔しない一生物

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専門用語には解説をいれて、写真を多用して納得度がアップするように心がけています どうしても、伝え難い技術は動画も用意しています

調理方法は一つではありません このサイトの調理方法以外にもたくさんのやり方があります 関西や九州、北海道などの地域による違いもあります それらを理解をして、このサイトで学んだことを最初の地図として歩まれることを希望します

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世界に誇れる日本料理のさらなる発展を願います

 

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