バイ貝の基本調理方法を解説 和食で使える二種類の含煮 今では高級素材です

はじめに

バイ貝 梅貝 蜆 などと書かれます

和食店ではおなじみの食材でしたが、今ではなかなか市場や鮮魚店にも出回りません 私が若い頃にはどこの店でも必ず使う食材でした 特に前菜では既成品も含めて実によく献立に使われていたものです

 

それが今では漁獲量が日本では激減をしています 輸入に頼っているのが現状です・・・高級素材になりつつあるバイガイですが、本当に美味しい食材です 今回は基本の含め煮と柔らか煮を解説をしてゆきます

バイ貝 基本のキホン

日本全国に分布しています 長さは5センチから7センチの小型の渦巻き 比較的浅い5から20mの砂に住んでいます

糸をひくようなヌメリがあります 何しろ味は濃厚です

最初に言いましたが国産のバイ貝は激減しています 乱獲が原因です 美味しさのあまり捕りまくってしまいました 残念です 料理人としても反省する気持ちでいっぱいです 市場にゆくとステンレスのバットにバイ貝が大量に売られていた光景も懐かしく感じます しかし、大都市では流通が少ないですが地方の市場ではまだまだ見かけるようです 聡太郎という我が店の若い板前がよく見かけると教えてくれました

 

白バイ 黒バイがあります 白バイは柄がなく真っ白 黒バイは今回使うバイ貝のように柄があります 少し種類が違いますが越中バイという美味しい貝もあります

和食とばい貝

旬を大切にする和食では春から夏の素材として使われます

特に「梅貝」と書いて6月の梅雨に使う料理人が多く見られます 梅雨のあじさいのカタツムリにもどこか似ています

「前菜 梅貝のかたつむり似せ」などと献立に記載されます 季節のかわいい演出として今でも人気です

和食では煮物として多く調理されます 高級店では前菜 居酒屋では先付けや一品として酒の肴 また、串焼き、酢の物にも利用できます エスカルゴのようにバターや香草も相性が抜群です

 

煮物として煮る場合は濃い口醤油と薄口醤油と分かれるところです 少し気の利いた店では薄口醤油 家庭や居酒屋では濃い口醤油 ここはお任せします 私は今回紹介するように薄口醤油が美味しいと思います 貝の香りが醤油に邪魔されません

 

煮物の方法も分かれます 私が最初に教わったのは含め煮 知り合いの料理長から教わったのは柔らか煮でした 貝類はゼラチン質ですので柔らか煮にすると確かに柔らかくなります あなたの店の客層などで判断してみてください

ばい貝含め煮

短時間で仕上げる含め煮です ポイントは短時間 さっと煮て冷めてゆく経過で味を染み込ませます 素材の味が生きる煮物のやり方です ばい貝らしい香りや味が楽しめます 砂糖ですが甘みの砂糖はお好みで考えてください 既成品はかなり甘く仕上げていますが、磯らしさが消えてしまい残念な気持ちがします 私は薄口で砂糖を押さえて味付けをするのが基本的な考えです では調理してゆきます 

最初に水洗いです 何度か水を変えながらよく洗います

元気のない貝を選別します 身の部分を軽く触ると動かない貝は匂いを嗅いでください すべての貝が生きているとは限りません 必ず確認をとります

煮汁を作ります

水7 薄口醤油1 味醂1 です

そこに甘(砂糖)を入れます

 

最後にばい貝を入れます

含めてゆきます 沸騰して7分程度で火を消します

そのまま自然に冷まします 本当は一晩、冷蔵庫がおすすめです 味がしっかり含まれます

蓋の部分を取り除きます

食べやすいようにクロモジや爪楊枝を刺して器に盛り完成です

 

ばい貝の柔らか煮

柔らか煮は和食の煮物ではよくなされる調理方法です 名前のとおりに素材を柔らかく仕上げます ばい貝でも柔らか煮が用いられます 柔らか煮には2種類のやり方があります 素材や仕上げりが異なりますので、好みのやり方を見つけてください 両方のやり方を説明をしておきます

 

その前に・・・ばい貝以外に柔らか煮で調理される素材を参考までに書いて置きます

  • たこの柔らか煮
  • 流れ子柔らか煮
  • 鮑柔らか煮
  • 烏賊の柔らか煮

などです 基本的にはゼラチン質を蒸し器などで柔らかくしてゆくやり方です 煮る時間も多いと4時間から6時間も煮ることがあります 素材により柔らかさの調整は慣れればできるようになります 数をこなしてみてください では柔らか煮を調理してゆきます

 

梅貝柔らか煮その一

ばい貝は水洗いをします 匂いを確認して鮮度の悪いものは使用しません

鍋やステンレス缶に入れます

煮汁を作りますが、ここでは醤油や味醂、砂糖はいれません 水10に対して2割の酒を入れます これが煮汁です

大根と昆布を入れます 昆布は旨味として入れますが、入れなくても貝の味だけでも十分です

 

蒸し器に入れます 沸騰した蒸し器で弱火で蒸してゆきます

 

 

 

蒸し時間は2時間前後です 参考までに言うと姫サザエでは3時間です 煮汁の色が変色するのがちょうどよい蒸し時間です

薄口醤油を入れます 味は薄めで決めます 味醂や砂糖は基本的には入れません これは、和食の柔らか煮のキホンですが、好みで味醂と砂糖を少量いれても良いかと思います ここから更に蒸します 蒸し時間は2時間です

気の遠くなるような蒸し時間ですが確実に柔らかくなります 昔ながらのやり方ですが、タコやサザエでも応用が効きます

 

梅貝柔らか煮その二

ばい貝は水洗いをします 匂いや状態で悪いものは避けます

水7 酒1 味醂1 薄口1の煮汁に大根を入れます 

その中にばい貝を入れます

蒸し器に入れます このまま2時間から3時間蒸し上げます

柔らさの具合を見ながら仕上げてゆきます 柔らかになれば完成です ポイントとして酒は必ず入れます この酒を使った煮汁を酒八方と言います 酒と大根がないと柔らかくなりません

梅貝の盛り付け

仕上がった梅貝の仕上げ、盛り付けです

蓋を外します 手で簡単に取れます

梅貝にクロモジを刺します 指す位置は深めに刺して、その後、身を出すように持ち上げます そして、横向きになるようにクロモジを決めます

葉を飾り完成です

まとめ

本当に香りがあり美味しい梅貝です 調理も簡単です 殻をむきたり、さばいたりする必要はありません 手に入りにくいのが難点ですが、新鮮な梅貝が手に入ったら是非、調理してみたください



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