
はじめに
身近にクルミはあるものです 都会の川の土手、ちょっとした林 あなたもクルミ拾いに出かけませんか クルミの拾い方から食べるまでの調理方法を板前のわたしが紹介します きっと美味しい出会いになります
簡単ポイント
- くるみの採集は必ず手袋をする
- 殻のまま8分炒る
- 取り出したくるみの実は炒れば香ばしい 味100倍
くるみ
板前でも実から調理をしたことがある人は少ないものです 私も実を拾って調理するのは、はじめは知りませんでした 山間のホテルで仕事をしているときに先輩から教わったのがクルミとの出会いです それまではクルミは店で買ってくるものと思い込んでいました 山の中に一歩入るとくるみの木はたくさん見つかります 季節になればカゴにいっぱいのクルミが採集することが出来ます リスとな奪い合いです
栽培は江戸時代から始まりました 今、栽培されているのは断トツで長野県です 信濃クルミとしてブランドが確率されています 甘みのある美味しいクルミです
下の写真はクルミの木です この青葉の頃は8月くらい 実の収穫時期はまだまだ先です スケジュールとしては夏場に実り、秋に収穫です 9月の終わりでしょうか?台風の時期が目安 実が地面に落ちてそれを収穫します
日本ではくるみを郷土料理として古くから食べられて来ました山でとれる胡桃を使い沢山の料理が作られています
- スリつぶし蕎麦つゆに入れ「くるみそば」
- 味噌にも胡桃をたっぷりいれ「五平餅」 囲炉裏で焼かれた時、醤油の香ばしさと胡桃の香りが見事な調和をかもしだします白玉粉で作られる
- 「くるみのゆべし」くるみの料理は地方で生まれ育った伝統の「古き日本」の味です
クルミは保存食としても
保存食としても、人々を助けてきた日本の食材です
飢饉んなどで農作物が取れない時も貴重な栄養源として活躍しました くるみを調理するとわかりますが、脂分を多く含んでいます これが栄養のもとです リスなどが冬ごもりで蓄える理由もわかります
これだけの、栄養が山にある 自然の恵みとはこのことですね
生食について
クルミは生で食べられます
殻からだしてそのまま・・・
しかし私のおすすめは、炒ったクルミです 料理人として皆さんに教えているのは煎りクルミです
香りや味が大きく変わります 今回もいりクルミを解説してゆきます では、はじめます
くるみの採集と下処理 殻のむきかた
くるみを採集しました 見てください真っ黒な実 枯れているような腐っているような・・・実はこのタイミングが最高なんです 狙いは木から落ちたクルミ できれば落ちたてです
念の為の言えば山間の農家の方から許可をもらい取にゆきました
季節は10月 9月だとほとんど実が木についています 10月に入ると半分くらいは地面に、残りの半分のくるみは木に残っていますが、木に残っているくるみも落ちる寸前ですので長い棒で少しつつくと木から簡単に落ちます 10月のくるみの収穫が最も楽だと思います
写真を見てください 黒い実は落ちていたくるみ 青みがあるのが木に残っていたくるみです
ココでポイントですが必ず
採集には手袋をします くるみはアクが強いので必ずしましょう
手袋をしないとアクで真っ黒 なかなか落ちないで泣けてきます
くるみをむきます 外側の皮や実をです
手で簡単にむけます 黒い方は特に簡単です 青いくるみの実は軽くコンクリートで叩くと直ぐ割れます くどいですが手袋は必ずしてください ア
くるみを水洗いをします
おすすめはタワシです 少しこすると綺麗になります しかし、くるみの外の殻は最終的に捨ててしまいます 神経質にきれいにする必要はありません
おひさまに干します 半日以上干してください くるみをよく干さないとカビの原因になります 直ぐにむいて調理する場合は1時間程度で十分です
写真でわかるようにキラキラした綺麗な実です 自然の恵みを感じます
乾燥させたくるみの殻をむきます このまま、トンカチなどで割るのはかなり大変です くるみは温めると殻が開きやすくなります 私はオーブンで軽く焼いていますが、少量の場合はフライパンで炒るのが簡単です 時間は8分が良いです 大きさによって5分から8分で口が開きます
口の開いたくるみの写真です 薄く割れ目が開いています このような状態になれば簡単に殻をむけます
貝むきを私は使って私は殻をむきます くるみに出来た隙間に貝むきを挿して、タオルの上などでこじ開けます 手に持ってむくのは危険です 注意してくださいつば付きの貝むきが安全です
くるみが割れました 簡単に割れたと思います
ここからは目打ちという道具を使います 家庭では竹串や釘が良いと思います 爪楊枝はすこし歯がたたないと思います
実が取れました 白い実と薄皮がついています 薄皮はそのままで
生のままで食べられますが炒るのがオススメ 本当に香ばしい香りがつきます
軽く炒れば出来上がりです このまま食べても最高です
胡桃味噌のレシピを作ります
板前としてよく作ります 一度、多めに作って色々な料理に応用出来ます 特に自分で採集したクルミで作ると最高です 是非やってみてくださ
胡桃はクイジナートのフードプロセッサーか当り鉢で当たりますが、炒る時に細かく潰す感じで炒っておしまいにしても良いと思います 少し荒い実のほうがくるみらしさが残ります同様に白ごまも当たります 胡桃は生でも炒ってあっても一度フライパンで炒ってください 香りがたちます また、白ごまも炒るのをオススメします 油がすこし出るくらい炒ってください
味噌 酒 味醂 当たった、くるみと白ゴマを入れます 砂糖で甘さをとってゆきます 甘辛い味が良いと思います 多少、甘めな感じです 辛味は豆板醤を少量入れます焼き海苔を少量ちぎって入れます にんにくを下ろして少量いれます
水分を入れないように注意します 水分を入れなければ日持ちします写真は生野菜と豚肉のしゃぶしゃぶに「くるみ味噌」を添えました
2017年の胡桃
2017年も胡桃を収穫します
下の写真は2017年の8月の青い実が実です 果実のようにピカピカです 葉も青くきれいです
胡桃の木を見つけるコツは葉を見極め、木の特徴を知ることです
- 同じところから葉が対に葉が出ています
- 一枚一枚の大きさは椿の葉の二回り大きい程度
- スラーと伸びた木で、木の表面に白い柄があります
2017年 9月の胡桃です 10月の収穫まではもう少しですが、ぼちぼち実は茶色くなってくます 今、収穫をしても大丈夫ですが、木から落ちるのを待ちます
胡桃の木にたくさんいる虫の写真です 9月でもかなりの数の虫がいます 黒い点が虫です 蜘蛛の巣のような糸状の巣の中にいます 胡桃は虫がつきやすいので仕方がないのですが、本当にたくさんの虫がつきます 女性は苦手かも、、、
わかり難いですが、下の写真はすこし色が茶色くなっています 葉の感じも秋が近いのがわかります 虫もたくさんです もうじき収穫です 10月の2週目か3週目くらいでしょうか・・・
2017年 10月25日 今年の胡桃を取りました
2020年 10月31日 今年のくるみです
コロナ第二波の中、山歩きでのんびりとくるみを拾いに行きました
しばらく、山道を歩いていると大き目のくるみの木を発見 下をよく見ると黒くなったくるみがたくさん落ちています この山はリスも多いのでリスとの争奪戦です 持ち合わせた袋にいっぱいに山の恵みを頂戴いたしました
家に帰りさっそく、水洗い、乾煎り、むき、炒り、調理といつもの流れでくるみを処理するのですが・・・
今回は乾煎りのやり方を「塩炒り」に変更しました 塩炒りは銀杏でよくやられる手法ですが、くるみでも応用ができます やんわり、じっくり火を入れることができます お勧めのやり方の一つです
写真をみてください 塩をフライパンの中に入れてくるみを入れて炒ってゆきます
過去記事 塩炒り銀杏のやり方
そうすると、いつもよりもしっかりと口を開いてくれます
あとは、いつも通りに割ってゆくだけです
それと、もう一つ、中の実をくりぬく時に写真の金串を指しているところから実を出すときれいに実を出すことができます ちょっとしたことですが、やってみてください
くるみは今回包丁で細か刻んで五平餅の味噌に入れます
五平餅はつぶしたごはんに味噌をからめて焼く、長野県や岐阜県の郷土料理です 素朴な味ですが、熱々がおいしい人気料理です 囲炉裏で焼けばよいのでしょうが、私はフライパンで焼いています フライパンでもなかなか美味しくいただけます
また、普通は甘い味噌を付け焼きをするのですが、甘すぎてお酒飲みには不評です そこで、ピリ辛の味噌の五平餅もよく作っています
五平餅の作り方です
ご飯は炊きたてをすりこ木棒でよくつきます 加減ですが、よくつくのが基本ですが、あまりつかないでお米の形を残すのもお勧めです おはぎのような食感で、それはそれで美味しくいただけます
団子にして串を差します 手元の串の部分は特にしっかりとご飯を巻き付けます
焼き上げます 串を焦がさないようにリンナイで焼く際は銀ホイルなどで串の部分を保護します
このまま、味噌を塗って焼き上げます
時間をおいて焼く場合や作り置き、冷凍する場合はフライパンやトーストで温めることができます
フライパンで焼く場合は油をひいて弱火で焼いてゆきます
味噌を塗って完成です
以上、2020年のくるみ料理の紹介でした
コロナで飲食店は大変な状態です きっと来年はコロナも落ち着いていると信じてみんなで耐えましょう!
料理人の私 年収1000万です
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