よもぎを採りにゆこう 料理人が教えるよもぎの基本処理と実践料理

はじめに

草餅の材料が一番馴染み深いかもしれません 豊かな香りが特徴で、懐かしく素朴な味わいが楽しめる食材です 私は3月下旬から毎年、よもぎを自分で採集をして色々な料理に使用しています 私のような料理人にとって季節感がある食材はとても貴重です 木の芽、わらび、タラの芽、蕗の董、雪の下、ぜんまいなどと同様に春を感じさせてくれる 大切な食材です 今回は「よもぎ」の基本的な処理方法や乾燥や冷凍の方法、天ぷらやお浸しなどの料理までよもぎを初めて使う方でもわかるように細かく解説をしてゆきます

そもそもよもぎって?

ほとんど雑草のようにあちらこちらで見かけられます 香りから想像できるようにキク科の植物です 日当たりの良い土手や道先、山野でたくさん見かけることができます 別名で餅草とも呼ばれます

実は栽培も沖縄ではされています 全国で栽培されているのは沖縄だけだと聞いています 沖縄料理ではフーチバージューシー(よもぎ雑炊)やヒージャー汁などに使われています

 

料理以外の使い道もあります 現代人はあまり使わなくなりましたが、もぐさです 肩や背中などを火をともした草で温めて血行を促します その草がもぐさ、原料がよもぎとなります 作り方は乾燥させて作りますが、乾燥させてだけではもぐさにはなりません よもぎを乾燥させた後でうすでつきます それをふるいにかけます そうすると綿毛がでてきます その綿毛がもぐさとなります

草餅について

餅によもぎの葉を付き込んだものを言います 本当は3月3日ひな祭りに作るものでしたが今は一年中草餅は売られています 餡が入っているものと、餡がないものとがあります

草団子という食べ物がありますが、こちらは多くは新粉をこねてつきが、よもぎを混ぜたものを言うようです

どちらにしても、よもぎの香りが生かされた美味しい食べものですね

薬用としてもよもぎ

よもぎ風呂 腹痛、痔に効果

よもぎリッカー 心臓機能強化

よもぎ酒 喘息 よもぎの根を使用します

煎じて飲む 貧血

よもぎにはシネオール、アルファーツヨン、セキテルペンなどの成分が含まれています これらが体に良い働くをしてくれるようです


よもぎの採集

まず採集の時期ですが、私は三月の中頃、ちょうど桜の花が咲くころに採りに行きます よもぎをもぐさなどに利用される場合は三月では早すぎると思います もう少し新芽ではなく育ってから採りに行くのが良いでしょう 5月ごろが最適かな・・・どちらにしても料理でよもぎを使うのならば3月から4月の新芽のよもぎがおすすめです

特徴が分かれば簡単に見つけることが出来ると思います 葉は切れ目のあるギザギザの葉で何枚かが規則正しく並んでいます 表面は深い緑色で裏側は白い綿毛が密集しています 一番の特徴は独特の菊の香りです 葉をつまめばすぐにわかります

草丈は50㎝にもなりますが、4月前後では地面に這うようにまだまだ小さい姿だと思います

実は花も咲きます 夏の終わりには稲穂のような形の黄色い花が咲きます

 

採集は手で取ることが出来ます 指でちぎれるところからちぎってください 大量に採集する場合は小刀などで切り落とした方が楽に採ることができます

実際に採ったよもぎの写真を見るとわかりますが、上の方だけをちぎり取っています その際、汚れなどは水洗いの際に取り除きます 気にしなくて大丈夫です

実際に火を入れたりするとかなり少量になります この際、多めに採集することをお勧めします

よもぎの基本処理

草餅であれ、よもぎ蕎麦であれ、よもぎ茶であれ 基本は茹です 生のまま使用はしません アクも強いので茹でて流水することを基本とします 特に茹でた後の流水が大切です やり方はこの後、解説をしますが流水でアクを除くことが美味しく食べる絶対条件になりまうす ただし、天ぷらは生のまま使用します 茹でることはしません

では実際の基本処理を見てゆきましょう

よもぎの掃除

ゴミや茎を取り除きまう 意外と木の葉などが紛れています よく注意をして掃除をしてください その際、枝の部分をどこまで使うのか考えながら掃除をします 草餅などは葉先だけの方が口当たりがよくなります 私は多少の枝の部分も使ってしまいますが、ご自身でなんどか実際に調理をしてみて好みを見つけてください

よもぎを茹でる

塩ゆでか重曹か・・・二種類の茹で方があります 基本は塩ゆで構いません しかし、料理関係の方で色とアクをきちんと処理したい場合は重曹で茹でてください 重曹を使用するのはわらびの処理と同様です ここでは塩茹でをしています

ゆで時間は1分程度が最適です ゆで時間は短く流水は長くがポイントです 沸騰した湯に塩を一つまみ入れてさっとで終わりです

流水は長くすることでアクが抜けます 料理で一番大切なことは香りです 吸い物やダシがそうであるように香りを重んじることで味が決まります 「アクを除き、香りを残す」 このことを大切にしてください 流水の時間は1時間です 氷水に落とすと更に色が止まり、きれいな緑色が維持できます

基本的な下処理は以上です この後は、実践的な料理に仕上げてゆきます

よもぎのお浸し

茹て食べる 単純な料理方法ですが、素材の味が最もわかる食べ方と言えます 和食では前菜や先付けなどでよく利用されます

家庭ではお浸しは醤油をかけて食べるのが多いかと思いますが、和食では浸し汁で提供します 茹でた野菜(ここではよもぎ)も漬け汁に漬け込んで下味をとります 意外と手間がかかりますが、手間をかけた分、美味しいお浸しが完成します

では実際に作ってゆきます

よもぎを掃除します 葉先だけではなく枝の部分も入っても大丈夫です 歯ごたえがよくなります

掃除前のよもぎ

掃除をしたよもぎ

茹でてゆきます 沸騰した湯に塩を一つまみ入れます そこによもぎをいれます

たっぷりの湯をわかします

沸騰を待ってよもぎをいれます

ゆで時間は1分から3分です 葉先だけだと1分程度、茎が硬いと2分前後というところです

冷水(氷水)に落とします 氷水ですと緑色がきれいに残ります

流水します 水道を細く出して1時間 アクをしっかりぬくためです

水気を絞ります 巻きすなどを利用するとしっかり絞れます

漬け込みをします ダシ12 薄口1 味醂1を沸騰させて冷ました汁に茹でたよもぎを入れます 切った薄揚げも入れます

かけ汁を用意します ダシ4 濃い口醤油1 味醂1を沸騰させて冷ました汁です

よもぎと薄揚げを盛り付けをして、かけ汁をかけて完成です

 

 

よもぎの天婦羅

よもぎを掃除します 太い茎は口に残ります 葉先と細い茎が天婦羅にむいています

粉打ちをします 基本の天婦羅は他の記事をごらんください

衣を通して揚げてゆきます

1分30秒ほどで揚がります 盛り付けをします 完成です

 

まとめ

よもぎの基本を解説しました 乾燥させて使うよりも生を茹でて使う方が味も香りも色も最適です 手軽な山菜よもぎ 是非、活用してみてください


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