栗の甘露煮 栗のワイン煮レシピ 甘露煮3つの重要ポイント

3つの重要ポイント

 2時間以上水に漬ける

 むいたら、直ぐ水に落とす 変色を防ぐ

 直ぐ下茹で 澱粉を逃がさない・・・クチナシで色付け

 

9月になると青い毬が少しずつ開き、中から茶色い実が顔を出します

つやつやした光沢で太陽に輝きます

今回の素材は「栗」です

町中でも時折見かけます 子どもたちには大人気、落ちた実を足でつぶして中の実を取り出す姿もよく見かけます GETした時には貴重な宝物でも見つけたような、笑顔が広がります

 

食材としては高級素材に属します 特に加工された栗は高めの価格になります 固い皮のむく手間がその原因かと思われます

[ad#ad1]

日本料理では「栗ごはん」「栗きんとん」「栗の渋皮煮」「栗の甘露煮」「栗のワイン煮」などがが有名です 特に「栗ごはんは」は秋を代表する炊き込みご飯です 塩味のご飯と栗の甘みが絶妙なバランスで美味しさ生み出します

DSC02147

ワインが良くしみています

そういえばスイーツの利用でも栗は人気です ハロウィーンの季節にはケーキ屋さんに沢山の栗のケーキが並びます 渋皮煮を利用したモンブランなど毎年、新作が登場しています

 

種類

「日本栗」山野に自生していたシバグリを改良した実の大きな栗です 渋皮の離れは悪いのですが、世界的に有名な栗です 茨木、栃木、熊本など栽培されています

 

「国見」丸みのある栗です 個人的には炊き込みご飯がオススメです

 

「銀寄」有名な使いやすい栗です 大阪中心に出回ります 甘みが強いのが特徴です 

 

「中国栗」天津甘栗といえばこれ 小さいですが甘みは抜群です 渋皮の離れがいいのもご存知の通りです

 

栗の甘露煮レシピ

甘露煮は基本中の基本です 知り合いの京都の店では、毎年、旬の9月に栗の甘露煮を作り、瓶詰めに加工して12月のおせち料理の「栗きんとん」に使用しています 時折、おすそ分けを頂くのですが、市販のものとは甘味や色、香りが全く異なります 自家製は栗の持ち味を大きく引き出すことができます 皆さんにもオススメです

 

栗の下処理

栗は大きめが良いと思います 最初に栗の選別をしてください 今回の栗は栃木産です かなり大粒の栗です

DSC02029

大粒です

小さな穴はむしくいです また、手で触って柔らかいものは腐っています 避けてください 光沢と張りのあるものが良い品物です

 

栗は水に漬けます 2時間は最低漬けます 一晩つけられれば理想的です これは包丁が利きやすくするためです むいた時、皮が柔らかくむきやすくなります

DSC02027

多めの水に浸けてくだい

頭の部分を落とします 頭の部分を「座」といいます 一度に落とせない時には二回三回と分けても構いません

DSC02030

右が座です

DSC02031

平の部分をむきます 渋皮を残さないようにむきます 鬼皮をむくとこの後の作業が楽になります

DSC02045

まな板の上で切ります

DSC02046

皮をむいています

DSC02047

むき終わりました 残るは渋皮です

丸い方をむきます 4面にむきます 大きさによって3面でも構いません 4面にむいた場合は全部で5面、座を入れて6面にむいたことになります

ここで大切なことですが、必ず水に落としてください 澱粉を多く含んだ栗は変色します

DSC02054

和食では形も大事です

 

DSC02048

丁寧にむきます

DSC02049

水に落とします

下茹でをします 手早く煮ます 澱粉は水の中に溶け出します 水の中に入れてある栗は甘みが失われます 火を入れることで澱粉の甘みを閉じ込めます むいた栗を一晩寝かせるようなことは避けてください

DSC02057

長時間の水漬けは禁止です

ここで、クチナシを使用します クチナシは「栗きんとん」などの色付けにも使われます 無害で自然の色が着色できます クチナシの実は半分に切ってガーゼやペーパータオルで包みます それを栗の入った水の中に入れます

関連記事 クチナシの実基本 栗きんとんに使います 

DSC02058

硬いので注意 半分に割ります

DSC02059

中央に置いて包みます

DSC02061

種が外に出ないように しっかり」巻ます

DSC02062

栗の中に入れます

DSC02060

沸騰したら弱火で20分です

[ad#ad1]

流水します せっかく付けた色が飛ばないかと心配する方がいるかもしれませんが、一度付いた色は簡単には抜けません 安心して流水してください 粗熱が取れるまで流水してください

DSC02084

色が出ました きれいな黄色です

蜜煮をします 水1升に500グラムの砂糖を入れます 約30分分間煮ます そのまま冷まします

DSC02095

500gの蜜です

新しい蜜を作ります 1升に対して1キロの砂糖の蜜で今回は煮ます 沸騰後約30分煮ます

栗は大きさや季節(9月と12月)などで煮る時間が異なります 柔らかさは好みで変えてください この後、瓶詰めにしますが瓶詰めにすると更に柔らかくなります

 

水から煮沸した瓶か蒸し器で温めた瓶に栗を蜜とともに入れます 直ぐにフタをします 冷めていく過程で中の空気が圧縮されて瓶詰めとして保存できるようになります キツクフタをしましょう 1年以上常温で保存できます

DSC02116

自家製は香りが違います 栗きんとんにも使えます

栗のワイン煮レシピ

栗を赤ワインで煮込みます ワインの酸味と栗は意外と良い相性です ワインは赤ワインを使用します 下処理は甘露煮とほぼ同じです 軽くおさらいします

 

栗は水に漬けます 鬼皮が柔らかくなります 2時間以上漬けてください

 

栗をむきます 座をむき、平面をむきます 丸い部分は4面か3面にむきます むいた栗は直ぐに水に落とします

DSC02048

丁寧にむきます

下茹でをします 甘露煮と違いクチナシは不要です 20分ほど茹でてください

DSC02050

下茹です

水に落とします 流水します

 

ワイン500グラム 水500グラムに砂糖500gを入れます 栗を入れて含めてゆきます

DSC02064

赤ワインです 料理用でなくても大丈夫

このまま煮つめてゆきます 1時間ほどで火を止めて瓶詰めにします

DSC02143

奇麗な瓶詰めが完成

ワインの汁とともに盛りつけて完成です

DSC02147

甘酸っぱい 美味しさです

関連記事 栗の渋皮煮 栗ごはんレシピ 3つの簡単ポイント

関連記事 栗きんとん基本レシピ クチナシの使い方 和風マロン白玉

関連記事 クチナシの実 基本

関連記事

アーカイブ

2015年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  
あなたならジュゲムがイイ
中級者以上向けブログJUGEM PLUS

このサイトについて

このサイトは、日本料理の研究と普及を目指しています 経験年数20年以上の和食職人に寄稿していただき、それらをわかりやすく編集をして公開をしています 原則すべて無料で公開となっています 

専門用語には解説をいれて、写真を多用して納得度がアップするように心がけています どうしても、伝え難い技術は動画も用意しています

調理方法は一つではありません このサイトの調理方法以外にもたくさんのやり方があります 関西や九州、北海道などの地域による違いもあります それらを理解をして、このサイトで学んだことを最初の地図として歩まれることを希望します

経験年数の少ない職人はもとより、日本料理を学びたい方すべてのお役に立てれば何よりです 

世界に誇れる日本料理のさらなる発展を願います

 

ページ上部へ戻る