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むかご

昔、母が庭先になる実を炊き込みご飯にしてくれました

丸い1センチほどの実がご飯の中に散らばっていて・・・忘れられない思い出です

ここでその実は「むかご」と言いたいところだが、話には落ちがあります

信じられないほど苦かった むかごではありませんでした

母においしくない、と言うとそんなはずはないと、一口・・・母も顔をしかめていました

母にもかなり苦かったようで・・・

今、料理人になって気が付いたのですが、むかごなら、あんな味はしないはず

あれは偽物「オニドコロ」か「ニガカシュウ」であると思います

今でもむかごを見ると庭先のツルを思い出す ああ苦かった

 

むかごって、そもそも何か

自然薯です 山の芋とも呼ばれます 

地中に長く育つ芋が育ちます

葉は二枚ずつ付きます これを対生といい名の形は縦長のハート型で先端は鋭く尖っています そしてその葉の傍にむかごがなります 

漢字で書くと零余子と書きます

10月から11月にむかごは実ります 

意外ですが自然薯は都会の公園や雑木林でも見かけられます 田舎にあるとは限りません 田舎料理の趣がありますが、先日見つけた自然薯は交通量の多い国道沿いのフェンスに絡まって自生していました きっと犬の落とし物とかで大きく育っているんでしょうね 

 

さて、見分けなくてはいけません

私のように苦い実を食べてしまわない様に・・・

苦い味の実はニガカシュウです

むかごとよく似ている実をつけます オニドコロは実をつけないらしいのでひとまずはニガカシュウと自然薯を比べます

ニガカシュウ

同じ場所から2枚の葉がでます

なんと言っても葉の形が丸みのある「ハート」型です

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丸いハート

 

自然薯

同じ場所から2枚の葉が出ます 

葉が細い 細いハートです 写真を見るとわかると思います

これが葉の形の違いが見分け方です なれると直ぐにわかります 

わから場合、食べるとわかります(嘘です おすすめはしません やめましょう)

さて、オニドコロは葉がよく似ていますが、むかごのようなものは実らないようです ここでは解説しません

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細いハート

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同じところから2枚の葉

日本料理とむかご

料理に使うと、一般の方には珍しいことから目を引きます

秋の前菜や吸い物などに登場する機会が多い野菜です 特に都会の店舗では素朴で良いと思います 

通常は八百屋で買い求めます 市場の八百屋ならば簡単に手に入ります 時折、スパーでも見られますが、値段が高めとなります また、店舗によっては山で自分で収穫することも可能かもしれません 

大きさが小さい食材ですので他の食材と合わせやすいのが良いところです 味も好まれやすい芋の味です 皮に独特の臭いがありますがそれが逆に風味となって個性化しています 

瓶詰めの使い方

生のむかごのほかに瓶詰のむかごがあります 正直便利です

なので料理店では瓶詰めも良く使われます 

瓶詰は掃除をして水煮にされ酸化防止剤が使われています

国産のものが多く、なんと言っても瓶詰の物は保存がききます 

瓶詰の使い方は・・・

簡単です 掃除もされていますので、流水で臭さを取り除きます 後に薄味で炊きます

東丸醤油1 味醂1 出汁11です この割合でさっと炊いて料理に使ってゆきます 蒸してそのまま塩で食べるような時には不向きですが和え物などには十分に使えます 

冷凍のものもあります

 

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生のむかご

掃除をします 基本的には当たり鉢で塩でこすり、が基本です これは、薄皮を取る作業です 薄皮は取らないでそのまま使うこともできます 

こだわる店舗は生で良いと思います さっと蒸したり、素揚げでは生に限ります 私は使う場面を考えて瓶と生を使い分けしています

今回のレシピ一覧

吹き寄せ盛り

秋の前菜の定番です 是非、覚えてください 小さな籠の中に舞い込んだ木の葉や実を表現します 秋の風景を切り取ったような一品です 籠も竹籠だけではなく芋や昆布を利用することもあります 今回はじゃが芋で籠を作ります 和食らしい秋の前菜 おススメです

むかご飯 十六穀米仕上

定番料理です 板前が作るむかごご飯はシンプルな塩味 昆布をきかせて作ります 今回は16穀米と仕上げます

むかご天ぷら紫蘇仕立て かき揚げ

油とも相性の良いむかご 天ぷらは香り揚げ、ゆかりで揚げます かき揚げは「がり」を入れた変わり揚げです

零余子寄せ

生身で蒸しあげて切りつけます 秋の吸い物では「萩真丈」と並ぶ有名献立です

零余子白和え

豆腐で合えます これも前菜や先付けでは定番です 今回はゴマをきかせて作ってゆきます

むかごの香り揚げ むかごのかき揚げ

揚げても美味しいむかご 香り揚げは前菜に かき揚げはコース料理の揚げ物に喜ばれます

以上、5品を解説します 板前が作る和食のむかご料理です わかりにくい点もあるかもしれませんが、できる限り丁寧に解説してゆきます


吹き寄せ盛り

秋の前菜などに最適です 籠の中に落ち葉や木の実が集まった様子となります

最初に籠を作ります 籠はじゃが芋で作ります 籠を作るには道具が必要になります 厨房の道具屋に同様なものが販売されていると思います 実は正式名が曖昧です 私は「籠つくるやつ」などと適当に呼んできました まさか、このように説明する時が来るとは・・・すみませんが、正式目は道具屋で確認をしてください 一応、下記で販売されています

ジャガイモを揚げてポテトのバスケットを作るフライヤー【02P05Nov16】

私が使っている「籠をつくるやつ」の写真です 10年以上使っています

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道具の全体写真

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重ねた状態

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この様に動きます

ステンレス製で大きさの異なる二つの籠から出来ています 大きいほうに材料を入れ、小さいほうで押さえつけます 作り方はこの後、詳しく解説をします 取っ手が長いのは油に入れるためです 個人店では一つで良いと思いますが、ホテルなどでは数本用意したほうが仕事が早いと思います

 

裏技・・・

どんな道具でも高いものです

今回の「籠をつくるやつ」もそれなりのお値段がします 200円ですむ方法があります それは100円ショップで買う方法です

100円ショップで売っている下の写真のようなものを(味噌汁の味噌を漉すもの?)を代用しています 取っ手の部分は折り曲げて使用します 欠点は大きめの籠になりますが、具材を少なめに入れることである程度調整できます 200円ですが活躍します

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この様な商品です

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重ねて使います

実際に籠をつくってゆきます

じゃが芋を水洗いします 皮をむきます 1㎜ほどのスライスにします スライスの機械を使うのも良いと思います 大量に作るときには便利です 千切りに打ちます 細すぎよりも多少、厚めがおススメです 粉をまぶします 小麦粉です

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大切なポイントです

籠をつくるやつは油の中で温めます

その理由は・・・温めないとはずれなくなります

じゃが芋を並べます 大きい網に敷き詰めてゆきます 厚みは底が見えない程度です

ここでコツです

網からあふれる位にすること

そうすると見栄えがよくなります 気に入らない時には完成した後に切り取ることも可能です

じゃが芋を並べたら小さいほうの籠をのせます 少し力を入れて押さえつけます 持ち手にリングが付いています このリングは揚げている最中に外れないようにする留め金です しっかりと留めます

油に落とします 180度が適温です ここでポイント

最後まで籠の中で揚げない

途中。1分ほどで網から外せます 外した後、仕上げでもう1分ほど揚げて完成です こうすることで、たくさんのじゃが芋籠を短時間で作ることができます

できあがった籠は冷まします

中に盛る吹き寄せの具材をしたくします

人参

紅葉とします 含め煮です

人参のむき方、梅人参 ねじり梅 人参のむき方 写真解説 抜き型不要で解説しています

丸十

木の葉をむきます

面取りをします

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面取り

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このような形にします

片面に木の葉のギザギザをつけます

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気持ち深めです

もう片面にも同じ処理をします

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両面いれて出来上がり

素揚げとして木の葉せんべいとします

銀杏

以前、銀杏を使った和食の基本料理 塩炒り銀杏 揚げ銀杏 銀杏ご飯 茶わん蒸しで特集しました 銀杏の料理や処理はこちらをご覧ください 詳しく解説しています

今回も生のぎんなんの殻をむきます

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手前が殻です

素揚げします 薄皮をこすりながら落とします 塩をします

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緑の色がきれいに出ています

松葉そば

茶そばで松葉に見せます

作り方は秋の前菜と演出 稲穂の咲かせ方 松葉蕎麦 いがぐりの作り方 栗煎餅で詳しく解説しています 茶そばから松葉そばを仕上げています

イチョウ南瓜

イチョウの葉に抜くます 油に落とし素揚げにします 揚げすぎないのがポイントです 少し柔らかいくらいに仕上げましょう

むかご

素揚げとなります

皮の掃除はしません 素揚げにします 2分ほどで火が入ります 塩をふります

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甘露煮の栗を使います

栗の甘露煮は栗の甘露煮 栗のワイン煮レシピ 甘露煮3つの重要ポイントで解説しています 自家製の甘露煮をおススメします

栗は焼き台で少し焼き使用します

稲穂

稲穂は花を咲かせます 咲かせ方は和食 秋の前菜と演出 稲穂の咲かせ方 松葉蕎麦 いがぐりの作り方 栗煎餅で解説しています

以上を盛り合わせます 各食材がお客様からすべて見えるように盛り付けをします

完成です

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むかご飯 十六穀米仕立て

むかごは皮の掃除をします 苦みが少なくなるのですが、むかごの味を大いに生かしたいときにはそのままでも使えます

むかごはあたり鉢に入れます 塩を少量いれてこすり薄皮を取ります 水洗いをします

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当たりばちに入れます

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塩を入れてこすります

通常のようにご飯をとぎます

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水につけています

十六穀米とむかごを入れます ここでポイント

塩を入れます

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具材をすべて入れます そして塩を入れます

塩は薄塩で良いのですが、1合に二つまみ程で良いでしょう 醤油を少し垂らしてもおいしくなります

炊き上げて完成です 盛り付けをします

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むかご寄せ

吸い物などに使用されます 真丈で蒸し固めて切り出しをします 煮物などに使用することも可能です 同じ時期に萩真丈もありますが、それとよく似ています

むかごの処理は同じです 基本的に皮の掃除は当たりばちで行います

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こすります

むかごはあらかじめ茹でておきます 冷水におとし粗熱を取ります

生身に卵白と片栗、薄口醤油、酒を入れて当たります 滑らかになったらむかごを入れます

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生身にむかごを入れます

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流し缶にながします

流し缶に入れて蒸しあげます 20分蒸しです

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よく冷まします

切り付けをします 一口よりもやや大きい大きさです

盛り付けです 万能ねぎ 人参紅葉 しめじ含めを盛り付けします

吸い物汁を注ぎます 完成です

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完成です

むかごのかき揚げ

むかごはそのまま使います(水洗いのみ)

人参 ごぼう 玉ねぎ むかご 三つ葉 がり

以上の材料を入れます がりは寿司に使う生姜の酢漬けです 少量いれて風味を補います 使い方は硬く絞り、切り付けです

下記は生姜の専門店の黄金生姜です 参考までに 知り合いのすし屋が使っています 味が違うそうです

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ざくざくとガリを切ります

その他の材料は千切りですが、家庭や総菜のかき揚げに比べて細く打ちましょう 特にコース料理では大切なことです まるで、立ち食いソバのようなかき揚げを提供するのはよくありません 揚げた時の大きさも一口サイズが二口サイズ程度が理想です

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切った材料です むかご 玉ねぎ 三つ葉 人参 ごぼう がり

材料に小麦粉をふるいます

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まんべんなく粉をふるいます

衣を少量入れます 衣が絡まる程度にして揚げてゆきます

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衣を少量入れます 入れすぎるとべちゃくちゃになります

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お玉にそせます

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揚げます

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中までかりっと

紅葉の葉をそえます

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かき揚げの奥にあるのは揚げ昆布です 昆布は下記のように切って素揚げです

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昆布の切り方

むかごの天ぷら 紫蘇仕立て

香り揚げとなります

ここで香り揚げの種類を記載します

  • ゆかり
  • 大葉を刻む
  • 海苔を刻む
  • 青のり
  • わかめを刻む

などがよくされる香り揚げです 今回はゆかりを使います

衣の中にゆかりを入れます

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多めのゆかり

粉をまぶしたむかごをそこに入れます

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粉をまぶします

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衣をつけます

揚げてゆきます 2分ほどで揚がります

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写真のように固まってしまったら箸でばらします

完成です 盛り付けをします 木の葉丸十と銀杏を飾っています

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完成です

むかごの白和え

よく見られる料理です 今回はゴマを多めに入れて白和えとします

豆腐を絞ります 裏ごしします

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よく絞ります

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宮島でうらごし

ゴマのペースト 砂糖 味醂 薄口を入れてよく当たります

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むかごは掃除をして出汁8 薄口1 味醂1で含めて粗熱をとります

すべてを混ぜ合わせ盛り付けをします

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混ぜ合わせます

完成です

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天はパプリカの黄色です むかごが見えるように盛ります

 

むかごは使いやすい素材です 和食店では秋の素材として工夫う次第でいろいろな使い方ができます 前菜などには最適だと思います 大きさが小さいのでコンパクトに盛り付けできます 今回紹介したレシピを参考に研究してみてください

秋の料理は下記のリンクです

和食 秋の前菜 柿のチーズ巻き 松茸寿司 吹き寄せ盛り むかごの香り揚げ

茶碗蒸し作り方 小田巻蒸 空也蒸 和食の卵の割り方 季節の具材と和食の卵料理

さんまの三枚おろし 捌き方 秋刀魚の塩焼きから刺身そして香り揚げ完全解説 プロの技を学べ

柿釜を作る 秋の和食 基本の柿がまの作り方 食用菊(もって菊)とサーモンの和え物

りんごを使った日本料理 紅玉で作る4種の林檎料理 12月にオススメ タラの芽胡麻和え 蜜豆 柚子煮

松茸料理を解説 薄口醤油が生きる松茸ご飯 松茸吸物 松茸土瓶蒸し 板前が教える秋の味覚 

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