柿釜を作る 秋の和食 基本の柿がまの作り方 食用菊(もって菊)とサーモンの和え物

「秋の柿釜」について

和食では秋の献立で「柿釜盛り」がよく登場します
柿の実をくり抜いてその中に、食材を盛り付けて秋を表現します
早く言えば「柿の器」ということになります
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硬めの柿が良い

主に刺身や酢の物、前菜などの冷たい食材に多く使われます
温かな料理だと柿に火が入ってしまい、食感や味を損ないますので冷たい料理がお勧めです
また、冷たい料理であっても柿の味や香りが料理を邪魔しないことも大切です あくまでもメインの料理は柿ではありません 釜としての演出であることを理解しましょう
実際にくり抜いた柿の実を釜の中に入れて料理として使うのも良いと思います
例として
柿なます 柿の白和え などが挙げられます
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多少、青いくても意外と甘味はあります

 

食用菊について

なんと言っても「山形県」が有名な産地です
市場に出回る7割は山形産の食用菊です
日本を代表する食用の花と言えます
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生のもって菊

食用菊という言い方を和食ではしません 多くは「もって菊」と呼び名で呼ばれています
もってのほか、からきている「もって」が語源です
天皇陛下のご紋の菊 その菊を食べるとは「もってほか」 そこから「もって菊」と呼ばれます
旬は秋ですが、乾燥のものも使われますので季節を問わない食材として和食店では使われます

国産干し菊     干し菊1枚入り(青森県産)

業務用は下の干し菊がお得です 驚きの大量

色合いが「黄」「紫」「白」などがあるので、料理の色味として重宝します
今回はもって菊とサーモンを盛り合わせます
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サーモン スライスしたものを使用

「釜」って何?

釜と言う言い方を和食ではします 柿で作る「器」という意味になります 同様のものを例として紹介します
  • 柚子釜
  • 酢橘釜
  • 姫リンゴ釜
  • 南瓜釜
  • 三宝釜
などがあります 季節の食材に盛り付けすることで、お客様に喜んでいただけます

柿は言わずと知れた秋の味覚を代表する食材です
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秋の代表的な果物です

日本ではなじみ深い果実です 一般の家庭の庭先でも目にすることが多い身近な果実です
種類は豊富ですが、今回は「柿がま」となりますので柿釜として使いやすいものを選びます
では、柿釜にする、おススメの柿は?
  • 価格が安い
  •  座りが良い 安定している
  • 美味しい
  • 熟れ過ぎていない
 特に大切なのは「熟れ過ぎていない」ことです 熟れ過ぎた柿は崩れてしまい「釜」としては不向きです 値段に関しては店によって事情が違いますが、私は1ケ50円以下の物を探して使用しています フルーツとして使うものよりも、傷や形が不ぞろいでも問題はないと思います
今回、使用した柿は30円の和歌山産です 八百屋に頼んで探してもらっています 毎年、似たようなものが必ず手に入ります 時折、スパーでも見受けられます

サーモン

既成のスモークサーモンを使用しています カナダ産のサーモンを購入しました
たっぷり500g!「スモークサーモントラウト切落し」 【送料無料】天然紅鮭スモークサーモンスライス500g
お勧めのサーモン

自家製のサーモンも良いでしょう 桜のチップを使用して燻して燻製にします ノルウェーのサーモンがお勧めです 捌いた後、燻製にしますが、その後は必ず冷凍します 寄生虫の予防のためです 詳しくは鮭のさばき方 鮭のさばき方とルイべをご覧ください

では「サーモンともって菊の柿の実盛り」を作ってゆきます

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座りをよくするために、そこを平らにスライスします 形が良いものはスライスの必要はありません
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スライスした状態

ヘタを切り取ります へたは大き目にスライスしてください 切り口が大きいほうが料理が映えます
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必ず塩水に

柿はすぐに、薄めの塩水に落とします 変色を防ぎます
くり抜いてゆきます くり抜きという道具を使用します (別記事 くりぬき)
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くり抜きです

写真のようにくり抜いてゆきます
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くり抜いたあと

ここで裏技
抜く前に柿に写真のような型をあててくり抜きます このやり方で抜くととてもきれいに仕上がります
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大きさは柿によって違います

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中央に置きます

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そのままくり抜きます

今回使用したのはクッキーの型です いろいろな大きさがあります また、価格も1000円以内で買えます

大切なポイント
  • 2㎝程度の深さ
  • ふちは残す
  • 直ぐに塩水に落とす
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抜き終わりました きれいに抜けています

椎茸を薄くスライスします
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石付きをおとして

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椎茸スライス

もって菊をさばきます 花芯のみ残し、花びらを集めます
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花芯は使いません

春菊(菊菜)を掃除します
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掃除をした状態

椎茸、菊、春菊を湯がきます 冷水に落とします
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たっぷりの湯に

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椎茸を茹でます

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もって菊を茹でます

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春菊を茹でます

実際に使用する前に、軽く醤油で洗って絞って使用します
サーモンを切り付けします 和え物なので写真くらいの大きさが良いでしょう 具材は三杯酢で和えます 三杯酢の作り方、詳しくはこちら
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サーモンは適当な大きさに切ります

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具材は醤油洗い

盛り付けします 大葉をひきます 指先で押すように押し込みます 具合を盛り付けします 小高く盛り付けしましょう
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小さめの大葉が最適

演出で柿の葉を一枚置きます
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色付いた柿の葉なら最高です

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盛り付けします

ふたを添えます もみじを飾ります 上勝の葉を使いました
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もみじは市場で購入

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盛り付け例

完成です どうですか?秋の雰囲気があふれています 日本料理らしい一品です
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バランスよく盛り付けをしましょう

まとめ

秋らしい柿釜 あなたのアイデアで色々とさらに美味しい料理に 終わり

秋の料理は下記のリンクです

和食 秋の前菜 柿のチーズ巻き 松茸寿司 吹き寄せ盛り むかごの香り揚げ

茶碗蒸し作り方 小田巻蒸 空也蒸 和食の卵の割り方 季節の具材と和食の卵料理

さんまの三枚おろし 捌き方 秋刀魚の塩焼きから刺身そして香り揚げ完全解説 プロの技を学べ

むかごの料理色々 前菜秋の吹き寄せ むかご飯 むかご真丈 むかご天麩羅 むかごの白合

柿釜を作る 秋の和食 基本の柿がまの作り方 食用菊(もって菊)とサーモンの和え物

りんごを使った日本料理 紅玉で作る4種の林檎料理 12月にオススメ タラの芽胡麻和え 蜜豆 柚子煮

松茸料理を解説 薄口醤油が生きる松茸ご飯 松茸吸物 松茸土瓶蒸し 板前が教える秋の味覚 

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