蕗の薹(ふきのとう)で作る ふき味噌 鮭の蕗みそ焼き 土筆の佃煮添え

蕗の薹は春の訪れを告げます

1月から3月にかけて蕗の薹が出てきます 一言で蕗の董は「つぼみ」です 蕾で土から姿を現して一気に花を咲かせます 地味な花ですが味は抜群です 蕗の董の調理方法を和食の視点で見てゆきます

「つぼみ」と「花」

土の中から顔を出す時は「つぼみ」です そのあと「花」が咲きます

美味しいのは「つぼみ」です 花が咲く前の「つぼみ」の状態がおすすめです 一般的に売られているものも「つぼみ」の状態で売られています 冷蔵庫で長く保存をすると開花してしますので注意が必要です 下の写真は花が完全に開いています こうなると食べられません

花が咲いた蕗

香りが最高 蕗の董

蕗は春を告げる野菜です 苦みのある香り高き美味しさは格別の食材です

なんといってもその香り 深い香りは日本料理にとてもよく合います 紫蘇の葉や木の芽(山椒)柚子などと同様に日本料理を代表する香りの一つです

採集することも出来ます

庭先や土手などに群をなして葉を広げています 蕗の董が出てくるのは同時期に一気に芽がでます その時を外さなければ簡単に取ることが出来ます 手でつまみ取れますが、あくが強いのでハサミで取ることをお勧めします

今回、使用している蕗の董も自生しているものを採集しました

 

 

蕗のと似ている蕗

日本中に山野に自生しています よく見かける植物です キク科の多年草となります 8世紀には栽培がされ始めた歴史のある野菜です 間違いやすい種類があります

  • 水蕗
  • 秋田蕗

などが有名な蕗の種類です 水蕗は葉が多く味も良い品種です また、秋田蕗は大型の蕗となります

その他に「つやぶき」と言う種類があります この種類はアクが強く硬いのであく抜きが必要です あまり美味しくありません

つや蕗です 庭先などで見かけます

 

こちらが一般的に食べられる野蕗です 蕗の薹を実際に取りました

和食と蕗

蕗の薹と蕗は和食、日本料理では蕗は色々な料理になります 懐石の主役にはなれませんが季節の味として使われます きゃらぶきは和食ですが家庭料理として日本料理では考えます 使い道が限定されて焼物のあしらいなどになることが多いです 香の物(おしんこ)としても当然使われます 蕗味噌などにした方が懐石などのコース料理では使いやすいようです 下記は有名どころの蕗料理です

  • きゃらぶき
  • 酒粕漬け
  • 砂糖漬け
  • 蕗の青煮
  • 蕗味噌

茎は水分が多いので天ぷらには不向きです なお蕾は天ぷらに出来ます

では蕗味味噌をつくってゆきます 蕗味噌はいろいろな食材と合わせることで、料理のレパートリーが大きく広がります 春の献立がより広がります

蕗味噌を作る

万能味噌として活躍をします 前菜、先付、焼物、煮物と使い道はいろいろです 是非、マスターしてください

ここで大切なこと

あくをしっかり抜くこと

大切なポイントです 必ず守ってください 苦みが強すぎるとおいしくありません あく抜きが基本中の基本です 苦みはゼロではなく多少は残します 香りが8 苦みが2 程度の感覚が大切です

 

下記の写真の蕗の董をご覧ください 花が咲く前の蕾です この様な蕗の董を材料に作ってゆきます

DSC03228

蕾の状態です

 

最初に掃除をします 外側の葉は硬いので使いません 外側の葉をむしり、つぼみと分けます

天ぷらなどでは葉の部分も使えます しかしフキ味噌はつぼみのみ使います

 

DSC03238

外側の葉をむしりました 右側が葉

水洗いをします 天然のふきのとうは汚れがついている場合があります よく落とします

DSC03239

水洗いします

細かく刻んでゆきます 味噌の中にしっかり溶け込むように細かく刻みます

DSC03241

細かく刻みます

湯を沸かします 茹でてゆきます 10分以上茹でます この作業があく抜きです 最も大切な作業です さっと茹でるよりも弱火で10分程度茹でるほうが苦みが消えて香りが残ります

DSC03242

火にかけます

ざるに上げます ここでしばらく流水してさらにあくを抜きます 流水は大切です

DSC03245

ザルに入れて水で流水です

 

蕗は粗熱がとれたら絞っておきます そして味噌に漬け込みます ここでは西京みその漉しを使います 日本料理店で品よく使いたい場合は西京みそがよいでしょう 田舎みそでも作れますが塩辛い味噌になります ごま油を入れます 切りごまなども入れる方がいます お好みで調整してください

石野味噌 白味噌(西京味噌・こし味噌) 2kg×3個 業務用◇
by カエレバ

 

DSC03248

ゴマ油

DSC03250

混ぜ合わせます

かどや 銀印 純正ごま油 PET 業務用(600g)
by カエレバ

 

よく混ぜて寝かせます 一晩以上寝かせます これで蕗味噌の完成です この味噌で料理を作ってゆきます

このまま食べることもできます 温かいご飯にとてもあいます

 

鮭の蕗味噌焼き

今回は鮭を蕗みそで焼きます コース料理などで最適です

鮭は常の通りさばきます 鮭のさばき方は別記事で解説しています

鮭のさばき方 三種のウロコ取り方と基本の三枚おろし

その他、鮭の記事です

鮭のさばき方とルイべ 氷頭の作り方 オスとメスの見分けかたも伝授

幽庵汁(酒 薄口 味醂 各1)に漬け込みます 1時間ほどで丘上げします

DSC03247

漬けこみます

焼いてゆきます

鮭に火が入ったら仕上げにフキ味噌をたっぷりのせます

西京みそは焦げ目がつきやすいので注意が必要です 味噌をジュクジュクさせて薄く焦げ目を付けます

今回は土筆の佃煮を添えています 同じ春の山菜です 笹の葉 桃の枝 コーンを天盛しています

これで完成です

DSC03252

まとめ

蕗味噌は応用がききます 焼物に限らずに、ソースのようにかけたり、和え物にしたり使い方は無限です 皆さんも挑戦してみてください

関連記事です 蕗の青煮などは下記の記事で解説をしています

ふきの色出しと板ずりのやり方 蕗の青煮など蕗の基本を学びます

蕗の葉を使う演出は下記の記事

蕗の葉 日本料理の掻敷

蕗を使った料理です 蕗鋳込みをやりました

下仁田ねぎ 鍬焼きの基本(鴨と下仁田) コンソメ炊き 新引き揚げ ネギま

焼物のあしらいとしての蕗の使い方を解説をしています

あしらい、を考える あしらい大全集 酢漬から蜜煮まで 和食の焼き物

煮物で蕗を使いました

和食 冬の前菜 冬の演出 雪や霜の表現の仕方 4つの献立で冬を表現を教えます

天婦羅で蕗の董を使う場合はどうするのか詳しく特集しています

 

当サイトでは料理人の就職応援しています 料理人の私が年収1000万になった理由公開中

このサイトでは飲食の仕事をしている人を応援しています 下記の記事が特集です

良い職場 良い給料 良い技術 頑張ってください

飲食専門求人サイトを比べる 調理スタッフ、店長 就職 年収500万への挑戦 料理長候補 

飲食業界専門の求人サイト、転職サイトを利用して年収1000万達成 実践年収アップのやり方 飲食店 荒井店長実録 後に続け!  

飲食業界の転職 職務経歴書は必要? 退職のやり方? 年収は希望できる? 週休二日? お悩みに答えて見ます

板前の転職 求人サイトでの転職は大いにあり! 特に40才前後の板前は注目

フーズラボとは?転職にかなり有利!飲食業界専門 転職サイトの研究

労働条件の明示がポイント 就職したら休みが少ない 給料がちがう 飲食店の就職トラブルを解決しよう

飲食無料転職サポート【H Agent】
飲食店・レストランの転職支援はフーズラボ・エージェント
年間1,000名の相談実績からあなたにマッチした求人をご紹介!

転職して生活が変わったな【飲食求人クックビズ】
飲食求人なら【アイティーケー!】

 

関連記事

アーカイブ

2016年2月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
29  
あなたならジュゲムがイイ
中級者以上向けブログJUGEM PLUS

このサイトについて

このサイトは、日本料理の研究と普及を目指しています 経験年数20年以上の和食職人に寄稿していただき、それらをわかりやすく編集をして公開をしています 原則すべて無料で公開となっています 

専門用語には解説をいれて、写真を多用して納得度がアップするように心がけています どうしても、伝え難い技術は動画も用意しています

調理方法は一つではありません このサイトの調理方法以外にもたくさんのやり方があります 関西や九州、北海道などの地域による違いもあります それらを理解をして、このサイトで学んだことを最初の地図として歩まれることを希望します

経験年数の少ない職人はもとより、日本料理を学びたい方すべてのお役に立てれば何よりです 

世界に誇れる日本料理のさらなる発展を願います

 

ページ上部へ戻る