かつをだし 昆布だし これが本物 第1回   

 

■あなたのは「かつをの出汁」ではなく「かつを水!?」

 

こんな板前の会話をよく聞きます

「出汁の取り方は、水の中に、昆布を入れて、沸騰する前に昆布をだす そして、かつを入れて漉す」これは大嘘です 残念ですがこれでは出汁は取れません 

 

下記はとある調理師学校の出汁のとり方です 

 水1.1リトル 出し昆布15センチ四方 かつを30g

  • 1 昆布を乾いた布で拭いて砂を落とす
  • 2 昆布に切れ目を入れる
  • 3 鍋に水と昆布を入れて火にかける
  • 4 煮立つ寸前に昆布を取り出す
  • 5 かつを入れる 一度煮立たせる
  • 6 火からすぐに下ろす アクをすくう
  • 7 かつをが沈んだら漉す

 続いて有名な大手出版社の基本出汁の引き方

 水1.8リットル 昆布 かつを各40g

  • 1 昆布の表面の汚れを固く絞った布巾でふく
  • 2 水と昆布を火にかける 沸騰する寸前に昆布を取り出し アクをすくう
  • 3 かつをは一気に入れて、湯に沈むのを待つ
  • 4 一呼吸待ってネルで漉す

 

上の2つのやり方で出汁をとってみるとわかります 決しておいしい出汁はとれません 不思議ですね しかし現実です

 

実際に職人の間でもよく聞きます「かつをは、すぐ漉す でないと、濁る」「昆布はツメが通れば、お湯から出すタイミング」などと

 

このような、常識的に語られるだし汁の取り方では「かつを出汁」は取れません 出来るのは「かつを水」です かつをの匂いのある濁った水のようなもの・・・そんな出汁しか引けません

 

「いままでそうやって教わったけど・・・」「エ、どこが違うの?」と知らない方は驚かれます しかし、間違えなく「かつを水」をとっている方が多いのが現状です

 

日本料理店の、「かつを出汁」は7割不合格 3割合格  

 

7割が「かつを水」をとっていることとなります 

■出汁の種類は?

 

ここで一度、出汁についてまとめておきます

今このサイトで説明をしている出汁は「かつを出汁」です

 

「かつを出汁」の他にも、出汁には種類があります 参考までにあげてみましょう

  椎茸だし

  かんぴょうだし

  昆布だし

  差し昆布だし

  煮物だし

  煮込みだし

  煮干し

  サバだし

  ソウダだし

  まぐろだし

 

おおまかに分けると、精進だし(野菜、昆布などの植物性の出汁)と動物性の出汁に分かれます 

 

 

■かつを出汁とは

かつをと昆布を使用して出汁をとります 和食では最も大切な出汁と言っても過言ではないでしょう 吸い物や煮物、また、天つゆ、つけ汁などに使用されます 

 

「かつを出汁」は和食の出汁の基本です また、和食すべての料理の基本かもしれません 

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■かつを出汁には一番だしと二番出汁があります 

 

 一番出汁は「かつを」と「昆布」の出汁

 二番だしは一番出汁で使用した「かつを」を煮出てとります 

 新しいかつをも少量ですが足します

 

一番出汁は吸い物

二番だしは煮物

などに使用します

 

一番出汁は品のある香りと甘さ

 

二番出汁はパンチの有る味 渋み 濁り

 

一番出汁のほうが高度な熟練技が必要になります

 

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