八寸と口代り、口取り違いを知ってますか?板前必見 常識を疑え 会席料理基本

はじめに

会席料理と懐石料理の違いはご存知のかたも多いと思います

会席料理は酒の席、一言で言って宴会料理やお食事会

そして

懐石料理は御茶の席でのお食事です

もともとは懐石料理を参考に会席料理が作られてきたので、よく似ている点が多数あります そんな2つの「かいせき」の話題を今回はしてゆきます

今回取り上げるのは八寸の話です

八寸という言葉は料理人でも皆が知っているわけではありません 街なかの和食店や旅館など無縁な店舗も多くあります 八寸は懐石料理の専門用語となっているために、懐石料理を提供していない店ではほとんど使われることのない言葉です ですので今回の話は興味がない料理人も多いかもしれません しかし、会席料理はコース料理として多くの料理店で提供されています 八寸は会席料理とも関わりのある話なので聞いておいて損のない話だと思います では、八寸の話と口代り、口取りの話をしてゆきます

 

懐石料理で出される料理

簡単に私の献立で出している料理内容です

向こう付け

煮物

焼き物

強肴

吸い物

八寸

強肴

香の物

これらが懐石料理で出されています 強肴が二回出てきますが間違えではありません 二回出されています 詳しい説明は今回はしませんが、茶事の懐石料理ではこのような内容の献立を季節や食材のバランスを考えて提供をしています さて、ここで8皿目に登場するのが八寸です この八寸を掘り下げて見ましょう

八寸とは

名前の由来は八寸盆という木の台に盛られることでその名が付いています

では、料理の内容は?

酒の肴です 詳しくは下記のような決まりがあります

  • 二品から三品程度を人数分盛り付ける
  • 山と海をそれぞれ盛り付ける
  • 簡単な料理が良いとされる

このような決まりのもと料理が作られています 私の具体的な献立を参考までに紹介してみると

伊勢海老の黄身焼き

牡丹百合根

公魚の甘露煮

甘長の煮浸し

菜の花和え物

海老の百合根寿司

こんな感じです あまり華美にならないことに気をつかい、飾りや葉なども使いません 八寸は前菜のようなものをイメージされる方が時折おられますが、もっとラフにモッソリと盛り付けをするイメージで良いと思います

まとめると八寸とは懐石料理での「一口の酒の肴を盛り付けたもの」という料理ということになります

会席料理での八寸

ここから、ややこしくなります

実は「会席料理にも八寸がある」

そして同じ名前の八寸ですが内容が異なります

懐石料理の影響を受けて会席料理が作られたと最初に申しました そのために会席料理にも八寸と献立に書かれている場合があります 実際にはこの場合の八寸とはどのようなものなのでしょう 見てゆきましょう 会席料理の八寸は・・・

酒の肴です(ここは会席も懐石も同じです)

  • 三品から五品盛り合わせます(品数が多くなります)
  • 山と海をそれぞれ盛り付ける(ここは同じです)
  • 簡単な料理が良いとされるが、小ぶりの一口サイズ(一口サイズです)

違いがわかりますか? 品数が多く小ぶりに小さくなります イメージは例えるなら「前菜」です 洋食ならオードブル風です 魚、貝、肉、野菜などをバランスよく季節感を活かしながら盛り付けてゆきます どちらも酒の肴には違いがないのですが、会席では本当に一口の料理を数種類盛り付けをすることが大切です

口取り 口代わりと八寸との関係

会席料理での八寸は「口代わり」と別名を言います 念のためにふれておきます

献立を書く時に「八寸」もしくは「口代わり」どちらを書いても酒の肴の料理ということになります 料理人がどちらの名前を使っても問題はありません ただし、繰り返しますが懐石料理のそれとはことなります

ここで知らなくてはいけないことが「口取り」です 私も口取りと献立に書くことが多々あります この場合、多くが「法事」「婚礼」などの時に口取りという献立名を使っています

内容は同じ酒の肴ですが「口取り」と献立に書く際は下記のような決まりがあることを覚えておきましょう

  • 儀式の料理である
  • 土産の折である

これらの場合は「口取り」と表現されます そのほうが正式に書かれた献立となります

まとめ

八寸、口代わり、口取りそして懐石料理と会席料理 混乱してしまったかもしません 文章でお伝えすることは難しいのですがご理解を頂けたなら幸いです 日本料理は細かい決まりごとがあります 伝統を守ることも大切ですが、伝統を打ち破ることも大切です 八寸も時代の流れのなかで多様に変化しています あなたの八寸を研究してみてください

参考記事です 献立の疑問などの解決になれば・・・

和食の食前酒を考える どんな食前酒を出せばいいいの?お客が絶対喜ぶのはこれ季節の16種類

バレンタイン和食献立 麩と栗のチョコレート掛け 芹のハート和え 紅白百合根

和食のひな祭り献立 白酒 粕汁 粕焼き三種類 甘酒 甘酒プリン

調理場のIT化 楽しみながら努力する工夫 献立やレシピの共有化のススメ

和食 冬の前菜 冬の演出 雪や霜の表現の仕方 4つの献立で冬を表現を教えます

 

関連記事

アーカイブ

2018年9月
« 7月   10月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

このサイトについて

このサイトは、日本料理の研究と普及を目指しています 経験年数20年以上の和食職人に寄稿していただき、それらをわかりやすく編集をして公開をしています 原則すべて無料で公開となっています 

専門用語には解説をいれて、写真を多用して納得度がアップするように心がけています どうしても、伝え難い技術は動画も用意しています

調理方法は一つではありません このサイトの調理方法以外にもたくさんのやり方があります 関西や九州、北海道などの地域による違いもあります それらを理解をして、このサイトで学んだことを最初の地図として歩まれることを希望します

経験年数の少ない職人はもとより、日本料理を学びたい方すべてのお役に立てれば何よりです 

世界に誇れる日本料理のさらなる発展を願います

 

ページ上部へ戻る