料亭の赤だしの秘密 旨い赤だし汁作れます 苦くない赤だし 秘訣は粉かつおと三種類の味噌をブレンド 


赤だし汁

一言で言えば味噌汁の一種です

しかし、奥深い味噌汁となります 一筋縄ではゆかない技や経験が大切な味噌汁と言えます

和食の職人でも難しい課題の赤だしの作り方を今回は解説をします

また、赤だし汁の具材も考えてゆきます どんな具材が適しているのかプロ目線で紹介をします

赤だしと八丁味噌

少し味噌を整理してみましょう

田舎味噌

家庭で使う味噌を指します 白味噌 赤味噌 粒味噌 だし入りなど種類も豊富です 塩辛いの味が特徴です 米が主成分です
これぞ田舎味噌 マルコメ 料亭の味 無添加 減塩 375g

その他は下のような味噌が田舎味噌です

西京味噌

京風の白味噌です 濃い甘みが特徴で関西風の雑煮として使われます 西京焼きはこの味噌に漬け込みをします 米が主成分です

西京味噌は石野です 下は家庭用


業務用はこちら おなじみの箱です


八丁味噌

大豆を多く使う味噌で名古屋が有名です 苦味、渋みがありますが甘みを入れることで味が相乗効果でおいしくなります 保存性が高く、暗褐色です

その他にも麦味噌などがあります また、地方によって塩の加減などが異なり個性的な味噌も多く見られます しかし、大きく分けると上の三種類が和食で使われる味噌と言って良いと思います

どの味噌も大豆と麹で作られますが大豆の量が八丁味噌では多く使われています ですので八丁味噌は米みそではなく大豆味噌に判別されています

参考までに一つ触れて起きますが赤味噌と白味噌の違いは大豆を蒸すか茹でるかの差で生じます

家庭用の八丁味噌はこちらです

赤だし汁と和食

会席料理、コース料理では三汁、二汁出される献立があります

多くの場合コースの最初の方では「すまし汁」が出されることが多い傾向です そして、最後に出される汁として赤だし汁が多く使われます

ちなみに、この最後に出される汁を「留椀」「止椀」と呼んでいます 留椀は次のような意味合いを持っています

  • お客様に料理が終わった事を告げる役割
  • ご飯、香の物を共に出す・・・締の食事

このように赤だしは留椀として和食では大きな役割を果たしています 料理の終わりをきっちりまとめる殿(しんがり)の約目です 折角のコース料理が最後の最後できちんとまとまるようにする大切な縁の下の力持ちです

 

また、赤だしは定食や御膳でも時折見かけます 先日、蕎麦屋で食べた天丼にも赤だしが添えられていました 1200円の天丼でしたが味噌汁ではなく「しじみの赤だし」が天丼を引き立てていました このように味噌汁や吸い物の代わりに使われるケースも多く見られます

赤だしを使うことで高級感や他店との違いを演出する効果が期待できるようです

 

一般的に和食店では味噌汁よりも、格上の存在が赤だしとなります 作り方も味噌汁よりも複雑で、店によって味が異なる 職人の腕が見られる料理であると言えます 赤だしの旨い店は他の料理も極みが見え、レベルが高いように思えます 職人として研究を怠れない料理と言えます

赤だしの作り方は大きく分けて2つ

1つめの赤だし味噌は自家製です

赤だしは味噌をブレンドしてかつをなどをプラスしてつくられます

これが、料亭や和食店での赤だし汁となります

もう一つは、家庭用としてプロの味を真似た赤だし味噌という商品が売られています

これはメーカーが板前に変わって味噌をブレンドしてつくったもので、出しやかつを、昆布なども入っているものも多いようです これらの赤だし味噌を使って赤だし汁を作ることも、もちろんありです チェーン店などでは実際に使われています それなりの味がそれなりに出ます

 


下記は業務店で多く使われています サイズもビックです


袋入りは下記の商品


今回の解説は料亭などで作られるオリジナルの赤だし味噌です 一般的に料理屋で多く作られる割合で作ってゆきます

赤だし味噌の作り方

最初に八丁味噌を作る際のポイントをまとめてみます

  • 土台の味は八丁味噌
  • 香りは粉かつを
  • 甘みが大切 西京味噌
  • 辛味は田舎味噌

八丁味噌の味が前に来るようにつくります 赤だしのメインは八丁味噌です

しかし八丁味噌には苦味と渋みが多く含まれます 八丁味噌だけで赤だしを作っても苦くてとても飲めません

そこで、甘みをブレンドします

その甘みが西京味噌です 甘みの強い西京味噌が活躍をします

八丁味噌は田楽味噌や味噌カツなどにも使われますが、その際も多くの砂糖で味をまろやかにしています 砂糖との相性は抜群で、甘みを入れることで相乗効果で八丁味噌は大きく変わります 赤だし味噌が美味しくなる秘訣の一つが西京味噌をブレンドすることとなります 大切なポイントです

そして、味を引き締めるために塩分を入れます 田舎味噌の役目です 甘い卵焼きのひとつまみの塩の役割です 西京味噌と八丁味噌の引き合わせ役を田舎味噌にしてもらいます

 

和食の汁に欠かせないのが香りです 一般的に出しをとって使います かつをや昆布の一番だしです しかし、赤だし味噌ではかつを出しが味噌のコクと香りに負けてしまいます そこで、かつを出しの他に「粉かつを」でかつをのうまみをプラスします

では、早速「赤だし味噌」を作ってゆきます

赤だし味噌をブレンドする

「粉かつを」から作ってゆきます かつを節を50g計量します 鍋に入れます かつを節は血合いありと血合いなしとありますが、できれば血合いなしがオススメです 今回は血合いのあるかつを節を使っています 二枚鍋というやり方で火を入れてゆきます 大きな鍋に水を入れてその中に小さな鍋を浮かべ湯煎の状態でかつを節も煎ってゆきます 最初は柔らかくしなやかなかつを節も次第にパリパリの乾燥をした状態になります では、作ってゆきます

鍋は二枚鍋で、かつを、を入れます

 

小さい鍋にかつを節を入れます

大きな鍋に水を入れて火にかけます

2つの鍋 内側にかつを節です

二枚鍋のアップ写真

 

火をつけたら手で混ぜてゆきます しっとりしています

大きく混ぜています

 

途中で熱くなった場合は箸を使っても構いません

箸でかき混ぜています

 

かつをの形に注目すると10分ほどでかなり小さくなって来ます ここから更に混ぜてゆきます

かなりかつをが小さくなってきました

 

完成の目安は手で細かく砕ける程度です 下の写真位になればほぼOKです

鍋で煎るのはここまでです

 

鍋から当たり鉢に移します 当たり棒で擦ってゆきます 粉にしてゆきます

 

大量にあったかつをも、こんなに少なくなってしまいました

当たり棒で擦ってゆきます

一度、ふるいます

ふるっています 下に粉状のかつを節が見えます

 

ふるいに残ったかつをを更に当り鉢で当たります 先ほどと同様にフルイにかけます これで、粉かつをの完成です

 

完成した粉かつをです

味噌をブレンドしてゆきます 最初に割合です

八丁味噌2キロ 西京味噌1キロ 田舎味噌1キロ 粉かつを50g

これが基本的な割合です 八丁味噌の全体量の半分ずつ田舎と西京が入っています

さらに応用で、まろやかな赤だし汁が好みの場合は西京味噌を増やすやり方もあります 近頃の流行りです 下記のような割合になります

八丁味噌2キロ 西京味噌1.5キロ 田舎味噌0.5キロ 粉かつを50g

好みで味を変えることも可能です 研究をして自分の味を作り出してください 今回は基本的な割合で合わせてゆきます

最初に八丁味噌をボールに開けます

 

今回使った八丁味噌です

二袋入っています

写真のように切り込みを入れて取り出します

ビニールをめくります

ボールに入れます

良い味噌です

続いて田舎味噌を計量します

今回の田舎味噌は自家製です

西京味噌を入れます

鮮やかな黄色が特徴です 甘い甘い味噌です

ボールにすべての味噌が入っています

粉かつをも入れます

冷めている粉かつをです

練ってゆきます

上下しっかり混ぜます

しっかり混ぜ終えれば完成です

わぜ終えた赤だし味噌

 

袋に小分けをして寝かせます 冬場は常温 夏場は冷蔵庫で保管です 一晩以上寝かせると味が落ち着きます

使う量を考えて袋にいれてゆきます

このような状態で保存をします

 

これで八丁味噌からつくる赤だし味噌の完成です この味噌で赤だし汁を作ってゆきます 実際の作り方はこの後、解説をします

赤だし汁の作り方

赤だし味噌が出来上がればここからは簡単です 最初にポイントをまとめます

  • かつを出しを使う
  • 沸騰させない
  • 山椒の粉を入れる

の三点が大切です かつをの出しは料理店で揃いやすいかと思います 家庭でかつを出しが敷居が高いと思われる方は「ほんだし」などを使用しても構いません また、沸騰はさせませんが、汁はできる限り高温です 泡立つ寸前までは温めてください 完全に沸騰をさせると大切な香りが逃げてしまいます

 

赤だし汁の具材に関してですが、このあとまとめて説明をしてゆきます

では、赤だし汁を作ってゆきます 最初に出しを火にかけます 中火程度として徐々に温度を上げます

必要な量のダシを入れます 作り置きは避けます

赤だしを味噌を入れてゆきます

調整しながらいれてゆきます

味を整えて出来上がりです 最後に山椒を振ります

完成した赤だし味噌

 

赤だし味噌の具 大全

ここで見てゆく素材は日本料理店でよく使われる素材です 意外ですが、わかめや薄揚げなどを使う事はほとんどありません 限られた素材が多いようです、季節の野菜などを使っても良いように思えますが、締の汁物ですのでシンプルな作りが好まれます 吸口も山椒がダントツです 季節によって木の芽(山椒の葉)も良いかもしれませんが、柚子などを使用することはありません しかし家庭では味噌汁の具であればなんでも使えると思います

しじみ

とても多く使われています 砂を抜いて下茹でをしてスープで作る

豆腐

絹ごし豆腐が多い 小角切り

絹ごし豆腐を使います

スライスをします

小角に切ります

三つ葉

微塵三つ葉 軸三つ葉 結び三つ葉で使用されます

三つ葉は葉の部分は特に細かく

なめこ

缶詰、生と共に使います 生はボイルして使います

缶詰のなめこです

まとめ

赤だし汁の作り方をまとめて見ました 単純な料理ほど奥があります 研究を重ねてオリジナルの赤だしを作ってみてください



 

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