日本料理 冬の前菜献立 冬を表現する方法 雪や霜を食材で作る 4つの献立で冬を表現を教えます

和食 冬の前菜 冬の演出

日本料理は四季ごとに、季節を料理に表現します 四季のある日本の風景や情緒を見事なまでに料理に折り込みます

今回は、冬の風景  日本料理の演出技術を紹介します

意外と短い冬?

日本料理の冬は11月と12月ほんの2カ月です  10月は秋そして1月は春の献立、新春となります  秋は秋の味覚で華やかな献立になります また、春はおせち料理で始まります  それらの、どちらかというと派手やかな季節に、はさまれた冬   華やかさは少し欠けますが、温かい料理を中心に献立が組まれます

冬の風景

東北の雪景色、深い雪が町を覆います 深深と降る雪  日本は雪の降る国です  日本料理でも雪をや霜を素材で表現します  料理を食べる客が日本の冬の風景を思い出すことができるように、細心のココロヅカイで仕上げて行きます

献立その1
霜とかぼす釜

dsc01699

カボス釜に盛り付けします

最初の演出は霜を表現します 霜を表現するのに日本料理で多く使われるのは氷餅です 氷餅は東北などの寒い地方で作られる保存食で、水で濡らした餅を凍らせて、それをパリパリになるまで乾燥させたものです

dsc01688

氷もちです

昔は農家の軒先でたくさんの餅が乾燥されていましたが今では見られなくなりました 基本的な食べ方は、お湯で戻してとろとろのものをスプーンで食べます 素朴な味ですので、砂糖や蜂蜜などを入れて食べるのがおすすめです  そのままの状態でも食べられます、和菓子の店などでもよく使われます

さて、和食の使い方ですが、手で砕いて散らします そうすることで、氷餅がまるで霜のようにキラキラと輝きます いかにも寒そうになります  前菜、焼き物、煮物、酢の物、デザートなどにおすすめです
作り方の手順は
かぼす釜を作ります 蓋の部分を切り離し、底を平らにします

dsc01677

底を落とします

dsc01675

天をふたとします

中の実をくり抜きます 包丁を立てるようにしてすり鉢状にくり抜きます

dsc01678

くり抜きます

dsc01680

くり抜きました

今回に盛り付ける料理はマグロの角煮の山吹合えです 角煮を常の通りに作り、玉子の黄身を炒ったもので合えています 大葉をひいて盛り付けます

dsc01681

まぐろの角煮です

dsc01682

炒り卵を入れます

dsc01684

盛り付けです

まわりに氷餅を散らします 指先でつぶしながら、ふってゆきます

dsc01691

細かくつぶします

柑橘類の葉を飾ります 完成です

dsc01693

葉を飾ります

仕上げます 春雨を素揚げにしたものを飾ります

dsc01672

そうめんを素揚げします

完成です 「切り取った冬の情景」が表現されれば成功です カボスや柿、柚子なども釜なら何でも構いません また、焼き物や前菜などの周りに散らしても良いでしょう

dsc01699

完成です

今回使用した氷餅は楽天で売っています

献立その2 寒椿と初霜

寒椿をサーモンで作ります 烏賊などで作ると二色の寒椿が出来上がります 今回はサーモンだけで作ってゆきます 初霜の演出は椿の葉に片栗です 椿の葉に霜がつきた様を表現しています 少しのコツも必要です解説をしてゆきましょう

では 最初にすし飯です 基本の寿司酢を書いておきますが、スーパーなどの寿司酢でも構いません

寿司酢

酢 米酢で大さじ4

砂糖 大さじ4

塩 小さじ2

米酢を使わないと寿司酢はつくれません 必ず米酢を使用してください

dsc01626

酢飯を作ります

寿司飯は 人肌程度に冷まします

サーモンは適当な大きさに切りつけます写真の大きさくらいが良いと思います

dsc01629

サーモンを広げます

ラップの上にサーモン、その上に寿司飯を丸く乗せますラップで丸くします ここで椿の花の蕾を意識して形を作ります ポイントは

  • 縦長にする
  • 大きくしない
  • 固くラップでしぼる
    です

ラップを外します サーモンに十字の切り込みをいれます

dsc01636

安定した場所で切ります

dsc01638

十字に入れます

切り込みを広げます

dsc01639

開きます

要り玉子を乗せます 要り玉子の作り方は、記事の最後に記載します

dsc01642

炒り卵を入れます

椿の葉の処理をします 葉は水洗いします 虫がついていては、折角の料理が台無しです 注意しましょう

水気をリードなどで、しっかり取ります

dsc01647

水洗いをします

dsc01648

ふき取りです

葉の先の方、もしくはな半分ほどを濡らして、片栗をつけますがここで大切なコツがあります
水をつけないで、ミリンをつかう
ことです
水をつけて片栗をつけるとすぐに乾燥して片栗がとれてしまいます そこで、片栗をつける部分には、ミリンをつけます  こうすることで、長時間しっかりと片栗がついて他の料理を汚しません

dsc01651

味醂

dsc01652

片栗

葉先に味醂をつけます 業務用の宝みりん

お勧めの味醂ですがお値段が高めです

角谷文治郎商店 三州三河みりん 純もち米仕込 700ml

葉先につけます

更に片栗を押し付けるようにつけます

dsc01656

片栗をつけます

dsc01657

このようになれば良いです

盛り付けをしてゆきます バランスよく盛り付けましょう 寒椿が見事に咲きました

dsc01658

盛り付け例です

献立その3

寒ブリの淡雪焼き

雪を表現する演出です 降り積もった雪を表現するには卵白を使用します

卵白には少量の塩と白醤油を入れています 濃い口の醤油は色がついてしまいます 避けましょう

泡立てます 角が立つまでしっかりと

dsc01709

卵白をかく乱します

dsc01710

角を立たせます

[ad#ad1]

幽庵焼き、照り焼きにしたブリの上に卵白をのせます

dsc01712

焼き物の上にのせます

固まるまで遠火で焼きます

あしらいは、お多福豆の芥子のみ和えです

既製品なら下記の豆が断トツです

dsc01715

お多福豆を炊きました

 

dsc01716

芥子のみです

dsc01717

まんべんなくまぶします

盛り付けをします 松ぼっくりと共に盛り付けます 松ぼっくりの上にも卵白をのせます

dsc01719

雪の様にのせます

氷餅と松葉蕎麦を飾りました

完成です 降り積もった雪の情景です

dsc01723

 

献立その4

雪と季節の煮物

降り積もった雪を表現するのに便利なのが「みじんこ」です 「しんびき粉」とも呼ばれます 和食では定番の食材です 澱粉の粉で小さな粒を作っています シンプルな食材ですが、応用は広く、いろいろな料理に使われます 色もピンク、白、グリーンと豊富です 今回は白色の「みじんこ」で雪を表現します

dsc01736

みじんこです

 

dsc01745

細かい粒です

常の通り煮物を盛り付けします 今回は海老、へちま、蕗、占地です 汁も少量はります

皿を用意します 「みじんこ」をひくのに適している皿は

 

  • 白が引き立つ色
  • ふちがある皿
  • 大きめな皿

となります

今回は緑の丸皿に盛り付けします

dsc01735

丸皿です

皿に「みじんこ」を広げます 皿をゆすりきれいに整えます

dsc01740

皿に広げます

dsc01741

広げます

中央に煮物を盛り付けします

dsc01746

中央に置きます

南天を飾り完成です 冬を感じる料理になりました

dsc01753

完成です 盛り付け例です

日本料理では季節を表現することは大切な使命です 四季のある日本 四季を器の中に表現をする そこに感動が生まれます 終わり

給料が安いと悩む料理人必見 料理人の私が年収1000万になった理由公開中

このサイトでは飲食の仕事をしている人を応援しています

完全無料!飲食専門求人サイト集です  良い職場 良い給料 良い技術 頑張ってください

飲食無料転職サポート【H Agent】
飲食店・レストランの転職支援はフーズラボ・エージェント
年間1,000名の相談実績からあなたにマッチした求人をご紹介!

転職して生活が変わったな【飲食求人クックビズ】
飲食求人なら【アイティーケー!】

飲食専門求人サイトを比べる 調理スタッフ、店長 就職 年収500万への挑戦 料理長候補 

飲食業界専門の求人サイト、転職サイトを利用して年収1000万達成 実践年収アップのやり方 飲食店 荒井店長実録 後に続け!  

飲食業界の転職 職務経歴書は必要? 退職のやり方? 年収は希望できる? 週休二日? お悩みに答えて見ます

板前の転職 求人サイトでの転職は大いにあり! 特に40才前後の板前は注目

フーズラボとは?転職にかなり有利!飲食業界専門 転職サイトの研究

労働条件の明示がポイント 就職したら休みが少ない 給料がちがう 飲食店の就職トラブルを解決しよう

和食の新人社員 調理師学校に頼んでみよう 求人票の書き方ポイント 裏ワザも!






 

関連記事

アーカイブ

2016年9月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
あなたならジュゲムがイイ
中級者以上向けブログJUGEM PLUS

このサイトについて

このサイトは、日本料理の研究と普及を目指しています 経験年数20年以上の和食職人に寄稿していただき、それらをわかりやすく編集をして公開をしています 原則すべて無料で公開となっています 

専門用語には解説をいれて、写真を多用して納得度がアップするように心がけています どうしても、伝え難い技術は動画も用意しています

調理方法は一つではありません このサイトの調理方法以外にもたくさんのやり方があります 関西や九州、北海道などの地域による違いもあります それらを理解をして、このサイトで学んだことを最初の地図として歩まれることを希望します

経験年数の少ない職人はもとより、日本料理を学びたい方すべてのお役に立てれば何よりです 

世界に誇れる日本料理のさらなる発展を願います

 

ページ上部へ戻る